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火力発電のCO2排出量をほぼゼロにするCCS 世界初、日豪官民で試験

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火力発電のCO2排出量をほぼゼロにするCCS 世界初、日豪官民で試験

電源開発(Jパワー)、IHI、三井物産は、3社が参加する日豪官民共同プロジェクト「カライド酸素燃焼プロジェクト」において、CO2液化回収装置の運転を開始したと発表した。このCO2液化回収装置の運転開始は、酸素燃焼CCS(Carbon Capture and Storage:CO2回収・貯留)一貫プロセスの実証に向けてのマイルストーンとなるものと位置付けられている。

本プロジェクトは、オーストラリア・クイーンズランド州のカライドA石炭火力発電所において、石炭火力発電所でのゼロエミッション発電の実現に向け、既存の石炭火力発電所に酸素燃焼技術を適用し、発電時のCO2排出量をほぼゼロに削減するという世界初の実証プロジェクトとして進められている。

2011年3月にボイラを酸素燃焼技術によって改修する工事が終了し試験運転を開始。2012年3月半ばに世界初となる火力発電所実機での酸素燃焼プロセスの試験運転を開始、今般、CO2液化回収装置の実証運転が開始となった。今後、CO2の地中貯留試験を含むCCSの一貫プロセスの実証を目指す。

本プロジェクトの発電規模は発電機出力3万kW(1基)、CO2回収量は70t/日(全排ガス量の約11%)、プロジェクト予算は約2億4,100万豪ドル(約205億円)。実証試験期間は2012年12月から約2年を予定している。

本プロジェクトで実証する酸素燃焼プロセスは、1973年に日本で発案された技術で、これまでに日本、米国、英国および欧州において、小規模プロジェクトによる試験が行われている。商用発電所に酸素燃焼プロセスを適応して発電を行うのは、本プロジェクトが世界で初めて。

本プロセスでは、ボイラ中で空気に代わって酸素により石炭を燃焼するため、通常の空気燃焼プロセスに比べ、燃焼排ガス中のCO2が高濃度となり、この排ガスを圧縮・液化することでCO2の回収が容易となる。

本プロジェクトは日豪官民による7者共同実証事業で、日本の3社のほか、豪州石炭協会(Australian Coal Association)、クイーンズランド州営電力会社(CS Energy)、エクストラータ・コール社(Xstrata Coal)、シュルンベルジェ社(Schlumberger)が参加する。

2008年3月にこれら事業者がJVを設立し、日本政府(経済産業省)、豪州連邦政府およびクイーンズランド州政府から資金援助を受けている他、一般財団法人石炭エネルギーセンター(JCOAL)が技術支援をしている。15日に、日本政府、豪州連邦政府、クイーンズランド州政府等の関係者が出席して、現地で竣工式が開催された。

【参考】
経済産業省 - カライド酸素燃焼プロジェクトの竣工式が開催されました
カライド酸素燃焼プロジェクト

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