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セシウムを光らせて可視化することに成功、除染の効率化に期待

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セシウムを光らせて可視化することに成功、除染の効率化に期待

物質・材料研究機構は、固体表面や生物中におけるセシウムの分布を蛍光により可視化できる超分子材料を開発したと発表した。本研究成果は、セシウムの分布をミリメートル以下の精度で可視化することができため、放射性物質に汚染された地域の除染の効率化やセシウムの拡散・蓄積過程の解明などに大きく貢献すると期待される。

本研究グループは、超分子相互作用を利用してセシウムを検出する蛍光プローブ(ある物質の存在を確認するために手掛かりとして使う物質)を開発した。

この蛍光プローブはセシウムを内包すると緑色の蛍光を発するため、固体表面に分布するセシウムの位置を目で確認できる。また、既存の放射性物質を検出する方法よりも高い空間分解能を有し、ミリメートル以下の精度でセシウムの分布を可視化できる。

例えば、セシウムを含む土壌に蛍光プローブを溶かしたアルコールを噴霧し、そこへ紫外線を照射するとセシウムに汚染された箇所だけが緑色の蛍光を発する。これにより、セシウムに汚染された箇所のみを選択的に除去でき、汚染廃棄物の大幅な削減が期待できる。

また、セシウムを含む水に浸した植物の茎断面に蛍光プローブを溶かしたアルコールを噴霧し、そこへ紫外線を照射すると、セシウムを含む部分のみが緑色に光った。この手法を用いると、セシウムの拡散挙動や蓄積過程を視覚的に把握することもできる。

東日本大震災にともなう福島第一原子力発電所事故により、多くの放射性物質が漏洩し広い範囲での汚染が確認されている。中でも放射性セシウム同位体であるセシウム137は半減期が30年と長いため、今後も主な放射線源であり続けると懸念されている。

政府は放射性物質により汚染された地域の除染を計画・実施している。放射性セシウムの分布を可視化できれば除染作業を効率化でき、除染による汚染物質の削減にもつながるため、現在、産学官が協力し放射性物質を可視化するカメラの研究開発を行っている。

なお、本研究成果は、科学雑誌「Science and Technology of Advanced Materials」で2013年1月にオンライン公開される予定。

【参考】
物質・材料研究機構 - セシウムの存在位置をミリメートル以下の精度で可視化

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