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エリーパワー、リチウムイオン電池の新技術開発 長寿命化、危険物指定が第3石油類に

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エリーパワー、リチウムイオン電池の新技術開発 長寿命化、危険物指定が第3石油類に

蓄電システムの製造販売大手のエリーパワーは、リチウムイオン電池セルの正極板および電解液の新技術を開発したと発表した。正極板については、従来から正極材料に使用しているオリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4)と集電体のアルミニウム箔の構成等の改良により、充放電サイクルによる内部抵抗の上昇を大幅に低減する技術を開発した。

これにより充放電を繰り返しても出力特性の低下を抑えることができるため、データ上では約12,000回の充放電サイクルが可能になる。さらに10年で約12,000回の充放電後にも80.1%という高い容量保持率が予測されている。この新しい正極板構成を用いた新型リチウムイオン電池の量産を2012年12月より開始した。

また、独自の製造方法により引火点を上げても電池性能を低下させない高性能の電解液を開発した。この新しい電解液を組み合わせた新型リチウムイオン電池セルについても量産化の準備を進めている。これらの新技術の開発により、充放電サイクルおよび安全性の向上を図ることが可能となる。

今回量産を始めた新型リチウムイオン電池セルは、世界的第三者試験・認証機関テュフ ラインランドの11項目にわたる厳しい安全性評価試験をクリアし、世界で唯一、安全基準認証「TUV-Sマーク」を取得している。過酷な過充電試験や過放電試験、セルに釘を貫通させる試験等において発煙、発火しない安全性が認められた。また、リチウムイオン電池セルの製造は、品質と安全性に配慮した全工程自動化の国内自社工場で行っている。

今回の開発のポイントは以下の通り。

正極材料を最適化し抵抗上昇を低減

正極板については、従来から正極材料に使用しているオリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4)は、(1)600℃以上の高温下でも酸素発生せず熱的安定性が高い、(2)結晶構造が強く長寿命、という特長があるが、導電性が低く、出力密度に課題があった。

また、充放電時に膨張・収縮が生じるため、充放電サイクルの増加に伴い、LiFePO4粉末の相互間の接触や正極板のアルミニウム箔との接触が低下して極板抵抗が上昇し、出力特性が低下する傾向があった。今回、正極材料の構成比等を最適化することによって抵抗上昇を大幅に低減することができた。

性能を維持したまま電解液の引火点を上昇

電解液については、従来、引火点を上げると電池性能が低下するという課題があったが、今回独自の製造方法を開発したことにより、電池性能を維持したまま引火点を上げることに成功した。これにより、新型リチウムイオン電池はこれまでの第4類危険物第2石油類(引火点がセ氏21度以上70度未満)から第4類危険物第3石油類(70度以上200度未満)に指定変更となる。

消防法では、第4類第2石油類の貯蔵・取扱いの指定数量は非水溶性で 1,000 リットル(※)と規定されており、これまで引火点がセ氏40度程度であった電解液の総量が指定数量以上となる場合は、危険物の規制に関する政令で定める技術基準に適合した「危険物施設」に設置する必要があった。第4類危険物第3石油類では、この指定数量が非水溶性で2,000リットルとなり、約2倍の貯蔵・取扱いが可能となる。

(※...直径18mm、高さ65mmの円筒型リチウムイオン蓄電池(電解液量約2ml)で約50万本)

エリーパワーは、大型リチウムイオン電池および蓄電システムの開発、製造、販売を手がけるベンチャー。慶応慶應義塾大学研究室メンバー4人が2006年に設立した。大和ハウスグループやシャープなどが出資する。

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