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炭素市場活動が過去最高を記録

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炭素市場活動が過去最高を記録

(1月18日、ロンドン)

2012年の世界炭素市場における取引は前年比26%増、世界のCO2排出量の3分の1相当という記録的なレベルを達成

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの分析によれば、世界炭素市場の取引量は2012年に26%増加し、107億トンに達した。これは、世界のCO2総排出量の3分の1に相当する。2010年以降、世界炭素市場の取引活動は、毎年約25%のペースで着実に増加している。

2012年の活動の多くは年末に行われ、過去3四半期の平均と比べて最終四半期の取引は70%急増した。2012年最終四半期単独で、年間総取引量の36%を占めた。欧州排出権取引制度(EU ETS)における取引活動は、2012年第1四半期から第3四半期の平均と比べて第4四半期に約40%増加した。また、発展途上国や旧東欧諸国(特にロシアおよびウクライナ)からの炭素クレジットである国連オフセットについては、同様の基準で市場流動性が150%超の急増となった。

世界炭素市場の四半期別取引量

世界炭素市場の四半期別取引量

EU ETSにおける取引活動の増加には、主に2つの要因が関係している。

  • 割当量配分のオークション利用が増加。さまざまな期間にわたる取引契約で、需要と供給の釣り合いをとる仲介者はより積極的に取引に関与するようになっており、オークション利用の増加は取引活動に直接または二次的影響を与えている。
  • ボラティリティと投機の増大。これは、欧州委員会がEU ETSの価格を下支えするために市場の割当量を抑制したことと関連している。

国連オフセットの取引が激増した理由は、これらのクレジットの年内発行/取得を求める取引、あるいは記録的な低価格に乗じた取引が殺到したためである。適格性に関して、欧州では2012年以降に発行される東欧諸国からのオフセットが禁止される可能性があり、これはデベロッパーが年内にできるだけ多くのクレジットを発行する動機付けとなった。

2012年の最終四半期には、これらのオフセットの二次取引が、第3四半期の500メガトンから80%増の890メガトンに増加した。一次発行の480メガトンにより取引量はさらに増加し、2012年第3四半期の記録より3倍高い数字となった。

世界炭素市場の取引価格の推移

世界炭素市場の取引価格の推移

しかし、取引活動が増加した半面、世界炭素市場の価値は低下した。2012年には、2011年比36%減、また2008年の市場価値をわずかに下回る610億ユーロにまで下落した。これは、これまでにない年間下落率で、EU ETSの主要市場における供給過剰により、価格が深刻なレベルにまで低下した結果である。

所有者が変わった排出権の平均炭素トンは、2012年ではわずか5.7ユーロ/トンで、前年の11.2ユーロ/トンからほぼ50%の減少となった。この価格低下のほとんどが国連オフセット価格の暴落を原因としている。一次発行が記録的なレベルに達したことで、10月から12月末までの間に、発展途上国からのクレジットは85%、東欧諸国からのクレジットは92%の価値を失った。

今後の展望としてブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスは、2013年には市場価値が、2009年および2010年と同レベルの約800億ユーロにまで回復すると予測している。これは、EU ETSにおけるオークション利用がより一層増え、炭素取引量がさらに17%増の約125億トンにまで増加すること、また欧州委員会がEU ETSに介入することで、平均価格が約15%増の6.6ユーロ/トン程度にまで回復することで実現される。

欧州委員会がEU ETSのバックロード提案に成功すると仮定し、ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスは世界炭素市場が成長軌道に戻り、2014年には960億ユーロの新たな記録を達成すると予測している。カリフォルニアと、後にはオーストラリアのコンプライアンス市場がEU ETSに参加するため、2013年から2015年にかけて炭素市場はさらなる追い風を受ける。当社の予想では、2015年までにはこうした新たな市場が世界炭素市場の価値の35%を占める。

世界炭素市場 総取引量の年間推移(10億ユーロ) 世界炭素市場 総取引量の年間推移(Mt)

世界炭素市場 総取引量の年間推移(上:10億ユーロ、下:Mt)

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの炭素市場調査担当ディレクターGuy Turnerは、次のように語る。

政治の行き詰まり、価格低迷という状況下でも、2012年に炭素市場の取引活動は成長を続けた。これは、こうした市場がどれほど効率よく機能しているかを示すものだ。政策立案者に今、求められるのは、この市場がもつエネルギーを利用することである。革新を後押しし、排出量のさらなる削減を促し、費用を削減するような政策を立案するのだ。

カリフォルニア、オーストラリア、韓国では、既にこうしたことが実現しはじめている。これらの市場をEU ETSと連携させる試みは、正しい方向に向けた重要な動きだ。より多くの国が今こそ後に続き、先進経済とより広範な発展途上経済を含む世界的な取引体制に参加する必要がある。


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