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大型トラックが自動で隊列運転走行 NEDO、交通分野の省エネ実験に成功

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大型トラックが自動で隊列運転走行 NEDO、交通分野の省エネ実験に成功

NEDOは、今年度で完了するエネルギーITS推進プロジェクトの事業成果として、隊列を形成した複数のトラックを操舵制御と速度制御により安全で効率的な走行を可能にする自動運転・隊列走行等を、産業総合研究所つくばセンター(茨城県つくば市)のテストコースで公開した。将来的に大型トラックの自動運転・隊列走行の実用化が進めば15%以上の省エネルギー効果が期待される。

このエネルギーITS推進事業は、自動車交通分野の省エネルギー対策として、NEDOが2008年度から5カ年計画、総予算約44億円で実施したもの。本プロジェクトでは、2010年9月に大型トラック3台で時速80km、車間15mの隊列走行による成果を公開したが、技術を高度化させてより近距離(15m→4m)の隊列走行を実現した。

また、技術の汎用性を向上させ隊列走行の早期実用化につなげるため、車車間通信を用いた車間距離制御と前方障害物認識技術を国内大型車メーカー4社の大型トラックに適用し、CACC(Cooperative Adaptive Cruise Control)の実験車4台を製作した。

ACC(Adaptive Cruise Control)は、車両の前方に搭載したレーダを用いて、前方を走行する車両との車間距離を一定に保ち、必要に応じてドライバーへの警告を行うシステムのことをいう。CACCは、ACCに加えて車車間通信によって他車の加減速情報を共有することで、より精密な車間距離制御を行うシステム。CACCでは、ACCより短い車間距離での走行や、制御の遅れによるハンチング(車間の変動)の少ない安定した走行が可能となる。

今回の成果として、大型車・小型車混在で操舵制御と速度(車間)制御を行う自動運転・隊列走行の実験に成功した。通常時は道路の白線を認識・基準に走行するが、分合流部、降雪などの悪天候時などの白線認識不可時は前方車を追従する。また、衝突回避の自動制御を行う。

具体的な要素技術は下記の通り。

  1. 隊列形成(個々の車両の位置を認識して隊列を形成し管理する技術)
  2. 車線保持制御(道路端の白線を認識して操舵を制御する技術)
  3. 車間距離維持制御(車車間通信と車間距離検出によって車間距離を制御する技術)
  4. 障害物との衝突回避制御(障害物を検出し、レーンチェンジや非常ブレーキ制御を行う技術)
  5. 先頭車追尾制御(分合流部、降雪や悪天候時などの白線認識不可時に先行車を認識し追従する技術)

車間距離を短くして隊列走行することにより空気抵抗の低減と、現状の道路幅員を維持したまま交通容量を増大(単位道路距離あたりの走行台数が増加)でき、交通流の円滑化効果が見込まれている。さらに、本プロジェクトで開発した自動操舵システムや車車間通信を用いた車間距離制御システム等は、各種の運転支援システムの高度化にも転用可能であり、高齢化社会における安全で環境に優しいモビリティ確保に貢献すると説明している。

なお、「エネルギーITS推進事業」全体(自動運転・隊列走行及びCO2排出量推計)に関する成果報告会を2013年3月12(火)9時50分~17時00分に東京国際交流館プラザ平成にて開催する。

日本で排出されるCO2の約20%は自動車が排出源となっている。自動車交通における省エネルギー対策がますます重要な課題となっており、ITS技術を活用した環境対策や省エネルギーの研究開発が進められている。また、内閣府の社会還元加速プロジェクトは、渋滞に伴う損失や環境負荷を大きく低減し、物流コストの大幅な縮減を図ることを目標として掲げており、省エネルギーに寄与するエネルギーITSは目標達成のための重要な施策と考えられている。

【参考】
NEDO - 大型トラックの自動運転・隊列走行実験に成功

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