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2017年の二次電池市場は33%増に拡大、リチウムイオン電池が牽引

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総合マーケティング会社の富士経済は、二次電池、一次電池の世界市場と開発動向を調査した結果を発表した。2017年の二次電池市場は2012年比33%増の6兆4,012億円となる見込み。リチウムイオン二次電池が拡大を牽引する。2017年の一次電池市場は2012年比4%減の1兆2,034億円となる見込み。一次電池は、2013年以降需要の減少、単価の下落などにより微減と予測される。

2012年の電池関連市場は、一次電池が前年の反動もあり縮小したが、二次電池が拡大し、前年比5.4%増の6兆780億円となった。二次電池は、モバイル機器、コードレス機器の数量の増大や、環境負荷・CO2削減対策として一次電池からのシフト、また、次世代自動車向けを中心とするリチウムイオン二次電池の需要増により、拡大が予測される。

二次電池市場

応用製品の種類・数とも増大しており、単価の下落があるものの、大きく拡大すると予測される。二次電池の中では、小型民生用機器から産業用機器まで高性能なものが求められており、リチウムイオン二次電池への需要が更に高まっている。

リチウムイオン二次電池は、ラミネート型が軽量、フレキシブルなどの特徴から携帯電話、ポータブルAV機器、ノートブックPC、タブレットPCなどへの採用が定着した他、車載用やESS用など需要規模の大きい用途が立ち上がった。

一方、ニッケル水素電池は幅広い需要分野を持ち、小型では民生用などで、大型では電動自動車などで一定の市場を確保するとみられる。ただ、リチウムイオン二次電池へのシフトも進展しており、小型民生用の需要がやや縮小している。安価で大型機器向けの鉛蓄電池以外は、ほとんどがリチウムイオン二次電池へシフトする傾向である。

一次電池市場

マンガン乾電池とアルカリマンガン乾電池が非常に大きな割合を占めている。アルカリマンガン乾電池は、マンガン乾電池からのシフトがあるため底堅く推移している。

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また、本調査では、注目市場として、「リチウムイオン二次電池の世界市場」と「中国メーカーのリチウムイオン二次電池の生産量」をあげた。

リチウムイオン二次電池の世界市場

小型民生向けから車載専用、電力貯蔵向けまで、大小全てを対象としている。タイプ別、或いは用途別にシリンダ型、角型、ラミネート型、車載専用、ESS(Energy Storage System:電力貯蔵システム)用がある。

車載専用の市場は、2011年より本格的に立ち上がり、EVの普及とともに拡大している。さらにPHVやHVでもリチウムイオン二次電池搭載車がラインナップされつつあり、2013年以降も確実に市場拡大すると予測される。日本市場は2011年に大幅に拡大した。一方、海外市場は、日本市場に比べ伸びが緩やかである。

しかし、欧米自動車メーカーの電動自動車に対する注力度は増しているためリチウムイオン二次電池の搭載が本格化し、2013年には海外のリチウムイオン二次電池生産量が日本の生産量を上回ると予想される。

ESS用は大規模なシステムに実績のあるNAS電池や鉛蓄電池が現在のところ優位であるが、小型化が可能というメリットと今後の低価格化や安全性の担保などによりリチウムイオン二次電池が増えると予測される。リチウムイオン二次電池メーカーが多いため、中国、日本、韓国の生産量が全体の多くを占めている。しかし、需要地でみると系統設置型については北米が最大であり、全体需要の約5割を占めている。

北米では、ESSとしてレドックスフロー電池を採用するケースも増加していることから、中長期的にはリチウムイオン二次電池と競合するとみられる。日本では東日本大震災以降、業務・産業向けだけでなく住宅向けに需要が拡大している。住宅向けについては、日本市場が若干先行しているが、Samsung SDIが実証試験を行うなど、海外市場も立ち上がりつつある。

シリンダ型は、2012年に数量ベースではTesla Motors社のEV向けで伸長したが、価格の大幅な低下により金額ベースでは微減となった。2013年以降もEV向けが期待されることから数量ベースでは年率数%程度伸びるが、金額ベースでは減少傾向である。

角型は、数量ベースの90%近くがフィーチャーフォン、スマートフォンに採用されている。スマートフォンの市場拡大により需要は旺盛であるが、ラミネート型へのシフトもあるため、2013年以降はほぼ横ばいで推移する。

ラミネート型は、小型・軽量が求められる機器に、またその反対に大容量が求められる機器にも、採用が拡大しつつある。スマートフォン、タブレットPC(「iPad」)、フィーチャーフォン向けなど、2013年以降も順調に市場拡大すると予測される。ノートブックPC向けはシリンダ型、フィーチャーフォン向けは角型といった従来の概念がくずれつつある。また、これらの用途以外にもニッチな用途があり、製品面や価格面でも角型に匹敵するほどになり、大きな市場規模を確立している。

中国メーカーのリチウムイオン二次電池の生産量

中国メーカーにおけるシリンダ型、角型、ラミネート型リチウムイオン二次電池の生産量は、2012年に前年比8.3%増の19.5億セルとなった。生産量の少ないシリンダ型はそれほど大きな動きがみられないが、スマートフォンやタブレットPCの市場拡大に伴い、角型からラミネート型へシフトしている。

一方、電動自動車向けや電動自転車向け、ESS・通信基地局向けなど、中・大容量のリチウムイオン二次電池市場が拡大している。特に2012年は輸出の持ち直しとESSプロジェクトの増加、電動自動車市場の拡大により大幅増を遂げた。2013年以降も中国政府による電動自動車市場拡大策や電動自転車での鉛蓄電池からリチウムイオン二次電池へのシフトなどにより、着実に拡大すると予想される。

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本調査は、2012年11月から2013年2月にかけ二次電池15品目、一次電池8品目、次世代電池4品目の世界市場と開発動向について調査したもの。

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