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窓に貼るだけで夏は直射日光を遮断、冬は透過させる省エネ調光シート

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窓に貼るだけで夏は直射日光を遮断、冬は透過させる省エネ調光シート

産業技術総合研究所と住友化学による研究グループは、夏季と冬季で太陽光の入射角が変化することを利用して、全反射現象によって夏は太陽光を遮蔽し、冬は透過させる「自動調光型省エネシート」を開発した。

この調光シートは、他の調光シートと異なり、外部の景色は常に見えるにもかかわらず、直達日射の透過を制御できるのが特長。また、調光シート自身は何も変化しないが、季節によっても自動的に調光できる。既存の窓にこのシートを貼るだけで調光ができるため、効率よく製造できれば、冷暖房負荷を大きく低減できる省エネシートとして期待される。

全反射調光シート(4段)の光の透過特性

全反射調光シート(4段)の光の透過特性

このシートは、凹凸の関係にある透明シートを2枚合わせたもの。夏を想定した60度以上の入射角で外側から光が入射すると、シート間の微小な空気層部分で全反射が起こり、約75%の光が遮蔽される。冬を想定した60度未満の入射角で光が入射すると、光は同じ角度で室内に出ていく。

全反射調光シートのアクリル模型

全反射調光シートのアクリル模型。透明にもかかわらず、光の入射角が60度を超えると相当量の光を遮蔽するため影ができる。

今後、より高い遮蔽性能が出せるように、住友化学で作製法に対する改良を加えるとともに、実際の窓ガラスに実装する方法も含めて検討し、2~3年以内の実用化を目指す。 なお、この調光シートは、5月22日~24日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2013」住友化学ブースで展示される。

「窓」は、冷暖房によるエネルギー消費量に大きな影響を与える。通常の窓ガラスは光以外に熱も透過させるため、建物の断熱性を低下させる要因となっている。そのため、窓の断熱性を高めるだけでも大きな省エネ効果があり、最近では、断熱性の高い「複層ガラス」や「Low-Eガラス(エコガラス)」の普及が進んでいる。

「調光ガラス」は、断熱に加え、日射を効果的に遮ることでさらに省エネ効果を高めるために、ガラスそのものが光や熱の出入りを制御する。省エネ用の調光ガラスとしては、可視光は通すが近赤外光は反射する「低放射率ガラス」や、遮蔽状態と透過状態をスイッチングできる「エレクトロクロミック窓」などが実用化されている。

一方、太陽光の窓への入射角は季節によって変化し、夏季には大きな入射角で入射する。大きな入射角の光だけを遮ることができれば、景色からくる光は取り入れつつ直達日射を遮蔽することが可能になるが、そのような調光を行うガラスやシートはこれまで実現していなかった。

【参考】
産総研 - 夏季と冬季で太陽光を自動調節する省エネ調光シート

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