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変圧器のJIS規格が改正 トップランナー基準対応のため、さらに省エネ化

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変圧器のJIS規格が改正 トップランナー基準対応のため、さらに省エネ化

経済産業省は、5月分の日本工業規格(JIS規格)の制定・改正を発表した。今回は、6件の制定、24件の改正並びに1件の廃止が行われた。

このうち「新たなトップランナー対応の変圧器」について、「エネルギー消費効率」「巻線温度上昇限度65Kの採用」「排油装置及び温度計の標準付属の拡大」「繰返し耐電圧試験」「部分放電試験」などが改正された。商業ビルや事業所の省エネ性能の一層の向上の観点から重要な改正となる。

配電用の変圧器は、6600Vなどの配電電圧を100V、200V、400Vなどの低圧に変換する機器で、主に商業ビル、工場の受変電設備で使用される。負荷機器ではない変圧器のエネルギー消費効率はもともと高かったが、設置数が膨大で24時間働き続けるため、わずかなエネルギー消費効率の改善でもビル、工場の省エネに大きな効果が得られる。

そのため、2003年にエネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)のトップランナー制度(既存の製品で、最も省エネ性が高い製品の性能、将来の技術開発等の見通し等を勘案して定める省エネ規準策定方式)の対象機器となり、変圧器メーカーは、目標年度(油入変圧器:2006年度、モールド変圧器:2007年度)において、目標基準値(第1次判断基準)を達成することが義務づけられた。この結果、トップランナー制度の対象となる以前の製品に対して、エネルギー消費効率は32.8%改善された。

その後、さらに省エネ性能を向上するため、2012年4月に新しい判断基準として第2次判断基準が告示された。この第2次判断基準は、第1次判断基準に比べさらに12.5%エネルギー消費効率の改善を見込む内容で、2014年4月を目標年度としている。

変圧器のエネルギー消費効率の改善状況(2005年以前を100とした場合)

エネルギー消費効率の改善状況(2005年以前を100とした場合)

今回「JIS C 4304(配電用6kV油入変圧器)」及び「JIS C 4306(配電用6kVモールド変圧器)」を、この第2次判断基準の内容を反映するために改正が行われた。今回の改正は主に第2次判断基準及びIEC規格との整合を意図している。主な改正点は次の通り。

(1)エネルギー消費効率(油入変圧器、モールド変圧器)

変圧器のエネルギー消費効率の値を、第2次判断基準に合わせて見直した。また、全ての負荷領域で省エネを達成させることが省エネ法の主旨であり、定格容量に等しい出力(負荷率100 %)における効率値も、基準エネルギー消費効率の改善量を反映する形で見直した。

(2)巻線温度上昇限度65Kの採用(油入変圧器)

従来は、巻線の温度上昇限度は55Kだったが、使用者からの小形軽量化の要求に対応するため、IEC60076-2の巻線温度上昇限度65 Kの導入についても検討し、寿命損失に配慮して耐熱絶縁紙を用いることを条件に65 Kを採用した。

(3)排油装置及び温度計の標準付属の拡大(油入変圧器)

従前、排油装置及び温度計の付属は150kVA以上の変圧器だったが、保守性の向上のため、標準として取付ける範囲を75kVA以上の変圧器に拡大した。

(4)繰返し耐電圧試験(油入変圧器、モールド変圧器)

今回新たに、既に運転中及び修理又は点検した変圧器に対して耐電圧試験を実施する場合の規定を、IEC60076-3に準拠して、規定電圧値の80 %を超えてはならないとした。

(5)部分放電試験(モールド変圧器)

従来の最高印加電圧値の乗数は1.5だったが、IEC60076-11と遜色のない評価とするため、1.8に変更し厳しくした。また、試験中の部分放電電荷量については、従来の50pC(ピコクーロン)を10pCに変更し、この値を超えてはならないこととした。

新しい目標基準値をクリアした変圧器は「トップランナー変圧器2014」と呼称され、専用のロゴマークを付けることができる

新しい目標基準値をクリアした変圧器は「トップランナー変圧器2014」と呼称され、専用のロゴマークを付けることができる

【参考】
経済産業省 - 日本工業規格(JIS規格)を制定・改正しました(平成25年5月分)

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