> > 慶大、仮想電力会社環境下で1,000家庭の電力需給制御実験に成功

慶大、仮想電力会社環境下で1,000家庭の電力需給制御実験に成功

記事を保存

慶應義塾大学は、既存のインフラ設備を利用して消費者と発電者等間の需給調整のサービスを提供する仮想電力会社の環境下で、マシンツーマシン通信技術を用いた、1,000家庭の電力需給制御実験に成功したと発表した。5月29日(水)~31日(金)に東京ビッグサイトで開催されるスマートコミュニティ Japan2013・スマートグリッド展で実験デモを公開する。

同大学大学理工学部山中直明研究室では、ICT技術を活用したスマートグリッドにおいて、仮想電力会社(EVNO:Energy Virtual Network Operator)による次世代電力需給制御方式の研究を行っている。EVNOは、自らはインフラ設備を持たずに、発電設備、蓄電設備、送配電設備等のインフラ設備を借用して、消費者と発電者/蓄電者間の需給調整を行うことで収入を得て、インフラ設備の借用料を支払い、事業運営する仮想電力会社のことをいう。

今回、同研究室は、1,000家庭を想定し、各家庭の電力管理制御システム(HEMS)の情報をマシンツーマシン(M2M:Machine-to-Machine)通信技術で相互にやり取りを行う、電力需給制御アルゴリズムを動作させるための模擬実験システムを開発。パソコン上にEVNOを模擬的にシステムを動作させる(エミュレーション)環境を構築し、3社のEVNO環境で1,000家庭に対して2秒周期で電力需給制御を行う実験に成功した。スマートグリッド展では、その一部を公開デモンストレーションする。

デモンストレーションでは、運用ポリシーの異なるEVNO3社の環境を想定し、パソコン上に構築した1,000家庭が各家庭の好みに合致したEVNOを選択、2秒周期でM2M通信技術を用いて、双方向の情報交換、EVNOの運用ポリシーに基づいて、自動的に需給制御を受ける様子をモニター画面でみることができる。電力のピークを低減する運用ポリシーの場合、需要の延期が可能な電気洗濯機を消費電力と最大延期可能時刻情報をもとに給電のオンとオフを制御する。延期不可能なTV視聴需要に対しては、希望する時間帯にTV電源をオンにし、代わりに変更可能なエアコンに対して需要ピーク低減のために設定温度を下げる制御を行う。

本研究概要は以下の通り。EVNOのアプリケーションプログラムは、需給調整のために、各家庭の統計的な需要情報やHEMSに対して指示された需要計画情報をもとにスケジュール調整を行う。例えば、移動可能な電力需要の稼働時間を計算して機器の電源を自動的にオン/オフ制御する、変更可能な電力需要に対してはエアコンの温度設定を変更する等の調整をすることにより、電力の需給バランスを制御する。EVNOによる需給調整は、電力料金を最低にする、再生可能電力を優先的に使う、家庭内の余剰発電をできる限り削減するといった、各社個別の特色を持った運用ポリシーに基づいた需給制御が可能となる。従って、各家庭は好みに合致したEVNOを選択することができる。

また、EVNOは、M2M通信技術によるベストミックスエネルギー(瞬時瞬時で最適なエネルギー源を選択する技術)を創造する。具体的には、電力における地産地消を家庭内から地域に拡大させ、M2M通信技術を用いて最適な電力供給源を地域内でローカルマッチングさせ、分散協調スケジューリングアルゴリズムにより需給の平準化を実現する。

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.