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震災のがれきが青森県八戸港の防波堤ブロックに 再生コンクリートが実用化

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震災のがれきが青森県八戸港の防波堤ブロックに 再生コンクリートが実用化

総合建設業の奥村組(大阪府大阪市)は、青森県八戸港の災害復旧工事において、震災により発生したコンクリートがらを有効活用した再生コンクリートの製造、ならびに港湾用ブロック製作への適用に関する実証実験を行い、その適用性を実証したと発表した。本実証結果を得て、この再生コンクリートは八戸港の北防波堤被覆ブロックとして実使用される。

本実証では、コンクリートがらを現地で破砕し、破砕物をそのまま骨材として再利用する現場再生コンクリートの製造技術「リ・バースコンクリート」を用いた。同社では、環境負荷の低減を目的に、平成13年に本技術を実用化し、これまでに多くの実績を積み重ねてきた。

原料となるコンクリートがら

原料となるコンクリートがら

東日本大震災の被災地沿岸部では、海岸・河川施設等の復旧に大量の生コンクリートが必要とされているが、骨材(砂や砂利)の不足から生コンの供給不足が生じている。その対応策のひとつとして、国土交通省・東北地方整備局により「震災がれき等を港湾資材として活用する技術の募集」が行われ、同社の「リ・バースコンクリート」が適用可能な技術として認定された。

これを受けて、同局発注の「八戸港八太郎地区防波堤」の災害復旧被覆外工事において、再生コンクリートの製造から港湾用ブロックの製作に至る実証実験を行った。

実証実験では、港湾用の被覆ブロック(2個)の製作にあたり、骨材の原料として、破損した防波堤ケーソンのコンクリートがらを使用した。また、被覆ブロックが波浪や水流に抵抗できる重さを確保するために、混和材として、フェロニッケルスラグや銅スラグを混入した。

再生コンクリートの製造には、コンクリートがらの破砕をはじめ、水、セメント、混和剤等の配合調整(自動計量)、さらにはミキサーでの混練等を一括して行うことができる専用の製造装置を使用した。本装置により製造した再生コンクリートを型枠内に打設し、ブロックを製作した。

奥村組 「リ・バースコンクリート」製造装置の稼働状況

「リ・バースコンクリート」製造装置の稼働状況

再生コンクリートの品質試験の結果、まだ固まっていない状態のフレッシュコンクリートのスランプ(軟度を測る尺度)は7.5~8.0cm、空気量は5.1~5.5%であり、目標値(スランプ8.0±2.5cm、空気量4.5±1.5%)を満たす性能を得られた。硬化後の密度は目標とする2.3t/立方メートルを満足し、材齢(コンクリートを打ち込んでからの養生期間)28日強度についても29.9N/平方ミリメートル(フェロニッケルスラグ混入)、30.4N/平方ミリメートル(銅スラグ混入)と、設計基準強度(18.0N/平方ミリメートル)を満たしたことから、八戸港の災害復旧工事で実使用されることになった。

奥村組 リ・バースコンクリート製造フロー

リ・バースコンクリート製造フロー

今回の実証実験では、製造能力4.0立方メートル/時の小型の専用製造装置を使用したが、クラッシャー、ミキサー、サイロなど汎用装置を組み合わせた大量製造タイプであれば20~30立方メートル/時(150~250立方メートル/日)の製造が可能となる。製造コストについては、大量製造タイプを用いた場合、JIS規格レディミクストコンクリート(工場で練混ぜをしてから、運搬車によってフレッシュな状態で打設現場に運送されるコンクリート)を購入(宮城・岩手沿岸部において1年間に25,000立方メートル購入)する場合と比べて、20~30%程度のコストが縮減できるという。

同社では、今後、本技術の採用を積極的に発注者に提案し、展開を図っていくことで、被災地の復興に貢献していくとしている。

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