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清水建設、手軽なアスベスト除去工法を開発 超高層ビルの解体・改修工事向け

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清水建設は、超高層ビル解体・改修工事の受注をターゲットに、鉄骨の柱・梁に固着しているアスベストの表面に高圧有機酸を吹き付けることで、アスベストを手軽に除去できる工法「アストリサン」を開発したと発表した。

この工法による除去作業は、有機酸を噴射する専用ガンによりアスベストを切り取っていくという形で進められる。本システムのメリットとして、粉じんの飛散量が極めて少なく環境にやさしいこと、騒音・振動を大幅に低減できること、剥離したアスベスト吹付材の回収が容易なことをあげる。アスベストを含む吹付材の除去・回収効率が高く、かつ作業計画が柔軟に行えることから、アスベスト除去費用を従来工法に比べて2割程度削減できる見込み。

超高層ビルの鉄骨柱・梁に吹き付けられたアスベストは、地震時に柱・梁が大きく変形しても剥離しないように、しっかり固着している。アスベストを含む吹付材にはセメントが多く混入されているため、セメント塊と同程度に固くなって柱・梁に強い接着力で固着されている。そのため、これまでは、作業員が先端にヘラのついたケレン棒や電動チッパーを用いて物理的にアスベストを剥ぎ取り、鋼製タワシで鉄骨表面を磨いて残りのアスベストを除去していた。

従来のアスベスト除去工法は、重労働で騒音を伴うことや、煩雑な粉じんの飛散防止対策等が必要で非生産的なこと、その一方で超高層ビルの解体工事の増加が予想されることから、作業負荷と環境負荷を軽減する新たな除去工法の開発が求められていた。そこで同社は、アスベストの吹付材に含まれるセメントを化学的に脆弱化させ、手軽に除去できる工法開発に取り組み、アスベスト固着を模擬した実大の鉄骨梁を使った実験を経て効果を実証した。

アストリサン工法では、食品添加物や医薬品材料に用いられる酒石酸という無害の有機酸とセメントのアルカリ分とを反応させ、セメントを脆弱化させる。除去作業に用いる設備は、通常の塗装工事に用いる市販のエアレスポンプと高圧ホース、20MPaの高圧有機酸を吹き付ける新開発の専用ガン。

鉄骨梁の赤い部分(左半分)はアスベストの除去作業が終了した部分。中央部分のグリッド模様は、専用ガンでアスベスト吹付材表面に入れた切れ目。

鉄骨梁の赤い部分(左半分)はアスベストの除去作業が終了した部分。中央部分のグリッド模様は、専用ガンでアスベスト吹付材表面に入れた切れ目。

作業手順は以下の通り。まず、エアレスポンプから供給される高圧有機酸を専用ガンでアスベスト吹付材の表面に至近距離から噴射しながら、10cm角程度のグリッドを描いていく。すると吹付材に切れ目が入るとともに、吹付材と鉄骨の接着界面に有機酸が浸潤し吹付材に吸収される。これにより、吹付材の接着力が弱まり、あとは切れ目に沿って手のひら大のヘラを接着界面に軽く差し込みめくるだけで、吹付材が10cm角のサイコロ状の塊になって剥離していく。仕上げに、吹付材剥離後の鉄骨に再び専用ガンで高圧有機酸を吹き付けると、完全にアスベストを除去できる。有機酸の使用量は15リットル/平方メートル程度。有機酸はすべてアスベスト吹付材に吸収されるので、液体状の廃棄物が発生することはない。

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