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高温超電導ケーブル、電車の走行試験で利用に成功 送電ロス減などの効果

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高温超電導ケーブル、電車の走行試験で利用に成功 送電ロス減などの効果

鉄道総合技術研究所は、実路線でも適用可能な定格1500Vで5000Aを超える電流容量を有する「鉄道用超電導ケーブルシステム」を開発し、世界で初めて超電導ケーブルによる電車の走行試験に成功したと発表した。同システムは、熱侵入の低減や小型化を目的に、見かけ上1本で冷媒の循環を行う「対向流循環方式」を採用することで、冷却機構も一体型させたのが特長。

今後、走行試験を重ねてケーブル構造の最適化を行うとともに、さらに長尺の鉄道用超電導ケーブルを用いた試験により、鉄道路線での使用に適した超電導ケーブルシステムの完成を目指す。

鉄道総研は、高温超電導(液体窒素温度-196℃程度で電気抵抗ゼロの超電導状態となる現象)の発見後、高温超電導材料と在来鉄道への応用に関する研究を進めてきた。平成15年には高温超電導で世界最高の磁場の発生に成功。その後、超電導材料の応用技術の開発に取り組み、鉄道のさらなる省エネ化の一環として、鉄道の直流き電区間の送電に超電導材を使う超電導ケーブルの研究開発を進めてきた。

直流き電区間の鉄道では、変電所から車両に電気を送るき電線(銅線)が電気抵抗を有するため、電気鉄道特有の回生失効や送電損失、電圧降下などの課題がある。これに対し、電気抵抗がゼロとなる超電導材をき電線へ適用することで、回生失効や送電損失等の抑制による省エネ化に加え、変電所の負荷平準化や集約化などの効果が期待される。

鉄道総研では、平成19年度に本格的に鉄道用超電導ケーブルの開発に着手。直流き電区間への導入を想定し、超電導ケーブルシステムの構造の設計変更、試作、通電試験を繰り返しながら、実用化のために必要な要素技術を洗い出し、基盤技術の確立に努めてきた。

その結果、平成22年度には8kA級の超電導ケーブル(5m)を試作し、平成24年度には5kA級の超電導ケーブルシステム(31m)を鉄道総研構内に試験し、今回同システムを用いた電車の走行試験を実施するに至った。

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