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太陽電池部材、中国市場では中国国産比率がほぼ100%に 日本は新技術で対抗

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太陽電池部材、中国市場では中国国産比率がほぼ100%に 日本は新技術で対抗

矢野経済研究所は、2013年2月~6月に太陽電池セル・モジュールと部材の世界市場について調査した結果を発表した。 

太陽電池セル・モジュール世界市場規模(メーカー出荷容量ベース)は、2012年の31.97GWから、2020年は63.45GWに拡大する見通し。普及施策を強化しつつある東南アジアやインド、アフリカ、中近東といった地域が次の成長市場として控えている。今後も、国・地域の顔ぶれは変わるもののワールドワイドでは旺盛な需要が継続して見込めるため、市場は2ケタ前後の成長を遂げると予測する。

また、太陽電池部材市場も順調にその規模を拡大させている。カバーガラス、封止材、バックシートなどの太陽電池部材市場でも一大生産基地となった中国の影響力が増すものの、日本の太陽電池部材メーカーの新たな素材・技術を導入した開発も進むとみている。

その他、調査の概要は以下の通り。

■太陽電池セル・モジュール市場概況

太陽電池セル・モジュール市場は各国の政策に大きく影響される。2012年は、FIT(Feed-in Tariff)が導入された日本で、メガソーラーを中心に需要が急増。一般社団法人太陽光発電協会の「太陽電池セル・モジュール出荷統計」によると、2012年度の日本国内向け出荷量は前年度比2.7倍の3.8GWを記録した。その他でも中国、米国、ドイツがGW規模で導入量を増やしており、2012年の太陽電池セル・モジュール世界市場規模は、メーカー出荷容量ベースで前年比104.9%の31.97GWと推計した。

2012年の太陽電池世界市場をタイプ別でみると、結晶Si系太陽電池が9割近いシェアを占める。過去には薄膜Si系や化合物(CIGS、CdTe等)系への注目度が高まり、米国メーカーが2009 年にトップとなった。しかしその後、中国メーカーが結晶Si系の生産に乗り出し、瞬く間にシェアを拡大し、2010年にはトップに躍り出た。以降、その他中国メーカーも急速に企業規模を拡大させている。一方、薄膜Si系は量産効果によるコストダウンを実現できず苦戦が続いている。市場では、今後も中国メーカーが高シェアをキープしていくものとみられ、その結果、結晶Si 系が市場の主流をなすという構図は2020年まで大きく変化しないものと予測する。

■注目すべき動向

中国電池メーカーと中国部材メーカーを巡る動きをあげる。太陽電池世界市場を席巻する中国メーカーであるが、自らの過剰な設備投資が招いた供給過多と激しい低価格競争、アンチダンピング関税措置など様々な問題を抱える。2013年には、欧州においても中国製太陽電池セルに対するアンチダンピング関税措置の判断が下される予定であるが、仮に課税が開始されれば中国メーカーに対する逆風はさらに強くなる。中国メーカーは中国国内需要と日本市場の取り込みに軸足を移す可能性が高まってきたと考えている。

太陽電池部材市場においても、中国の太陽電池部材メーカーが影響力を増している。ここ数年、中国の太陽電池部材メーカーは、供給する部材の品質が高まる傾向にあり、それらの部材を安い価格で市場に供給し始めている。そのため、封止材やバックシートでは中国部材メーカーがシェアを高めており、カバーガラスでも中国市場においては国産比率がほぼ100%に達した。その結果、中国市場に進出していた日本や欧米の太陽電池部材メーカーは販売量を急激に落としているものとみられる。さらに、太陽電池の低価格化の進行に伴い部材価格も下落するなど、部材メーカーを取り巻く環境は厳しさを増している。

ただ、太陽電池メーカーは競合他社との差別化をはかっており、部材メーカーによる新たな素材・技術を導入した提案を歓迎する動きがある。日本の太陽電池部材メーカーにおいても、従来品と同等強度ながら薄肉化・軽量化したカバーガラスや、太陽電池モジュールの高電圧化に対応し絶縁性を高めたバックシート、EVA 樹脂代替の封止材原料など、太陽電池の変換効率や耐久性などの性能面にかかわるだけでなく、施工面や最終的な利用シーンを想定した製品開発が行なわれている。汎用化している太陽電池部材においても、日本の部材メーカーによる細やかな製品開発の余地はまだ残ると指摘する。

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