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1か月後の風力や太陽光量を予測? IBMが再エネ用システムを新開発

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米IBMは、ビッグデータ・アナリティクスと気象モデリング技術を融合した先進ソリューションにより、これまでにはない方法で再生可能エネルギーの非安定的な性質に対処し、太陽光と風力からの発電量を予測するシステムを開発したと発表した。

同社は、気象予測と電力予測を統合し、風力と太陽光エネルギーシステムの可用性(アベイラビリティー)向上、および電力グリッドのパフォーマンス最適化を実現する高度なシステムであると説明する。これにより、ユーティリティー(公益)事業者はより多くの再生可能エネルギーを電力グリッドに統合できるようになるため、炭素排出を抑制できるとともに、消費者や企業に対して、より多くのクリーンエネルギーを供給できるようになるという。

このソリューションは、「Hybrid Renewable Energy Forecasting(HyRef)(ハイブリッド再生可能エネルギー予測)」と呼ばれる。中国で展開されている張北670MWデモプロジェクトの第一フェーズでは、HyRefを使用して再生可能エネルギーを電力グリッドに統合している。本プロジェクトは、風力発電太陽光発電、エネルギーの貯蔵と送電を組み合わせた再生可能エネルギーに関する世界最大の取り組みで、化石燃料依存からの脱却を目指す中国の5カ年計画の一環でもある。

本プロジェクトの第一フェーズでは、IBMの風力予測技術を用いて再生可能エネルギーの発電割合を10%向上させることを狙いとしている。ここで増大した分量のエネルギーで、14,000以上の世帯に電力を供給できる。ユーティリティー事業者は、アナリティクスを通じて電力グリッドの運用向上に必要な知見を得ながら、発電された電力を効率的に使用することで、風力と太陽光の利用縮小を抑えることが可能になる。

具体的にはHyRefでは、気象モデリング機能、雲をイメージ化する先進技術、および上空に向けて設置したカメラを使用して、雲の動きを追跡する。一方、風力タービンに取り付けられたセンサーが、風速、風温、風向をモニタリングする。データ同化を基盤とするこのソリューションは、アナリティクス技術と統合されると風力発電所内の局地的な天気を正確に予測でき、1カ月後の天気や、15分刻みの天気を予測することも可能。

HyRefは局地的な気象予測を活用することで各風力タービンのパフォーマンスを予測し、再生可能エネルギーの発電量を推定する。こうした能力により、ユーティリティー事業者は変化しやすい性質を持つ風力や太陽光についてより適切に管理できるとともに、電力グリッドへの逆潮流や蓄電する電力量をより正確に予測できるようになる。また、石炭や天然ガスなど、他の従来型エネルギーとも容易に統合することが可能だという。

今回のプロジェクトは、風力タービンの世界的メーカーであるデンマークのVestas Wind Systems(US)におけるIBMのスマーター・アナリティクスの取り組みを基盤にしている。Vestasは、IBMのビッグデータ・アナリティクスとスーパーコンピューター技術を使用して、気象予報士、潮位状態、センサー、衛星画像、森林伐採地図、気象モデリング調査から得たペタバイト級のデータに基づき、風力タービンを戦略的に設置することができる。こうした能力により、発電量を増加させるだけでなく、プロジェクトの全期間を通じて保守コストや運用コストを削減する。

IBMの気象予測への取り組みは「Deep Thunder」と呼ばれ、2001年から開発が進められてきた。気象モデリング技術の進歩を象徴する存在と言えるHyRefは、Deep Thunderなどのイノベーションから派生した。Deep Thunderは高解像度で地域の気象予測を可能とする。同社では、ビジネスデータと組み合わせれば、企業や政府機関はサービスのカスタマイズ、ルートの変更、設備の導入の実現につながり、結果的に、コストの削減やサービスの向上、さらには人々の安全の確保など、天気事象が及ぼす影響を最小限に抑えることができると説明している。

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