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菱熱工業、植物工場ビジネスに参入 福井に人工光型工場を来年3月稼働

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菱熱工業、植物工場ビジネスに参入 福井に人工光型工場を来年3月稼働

冷熱エンジニアリング企業の菱熱工業(東京都大田区)は植物工場ビジネスに参入する。福井県南越前町に植物工場を着工、来年3月の本格稼働を目指す。今後、植物工場の設計・施工や新品種の開発にも取り組み、同ビジネスで3年後に10億円の売上目標を掲げる。

同社のエンジニア部門における豊富な実績とノウハウを完全人工型の植物工場に応用し、「ビタミンファーム」プロジェクトとして展開する。先行する他企業との差別化を計るとともに、高い生産性と品質の両立を目指した。60余年で培った空調・衛生エンジニアリングで植物工場の低コスト化を図り、地元雇用創出にも貢献する。

「ビタミンファーム」福井工場は、福井県の「企業的園芸参入支援事業」の許認可を受け、完全閉鎖・人工光型の植物工場として設置する。延べ床面積は1,417平方メートル、総工費は3.48億円。栽培するのはリーフ系レタスなどの葉物類(最大生産数・日産4,400株)で、加工野菜市場に特化し、大手食品工場などに売り込む。

さらに今後の展開として、自社以外の植物工場の設計施工などプラント・エンジニアリング事業、明治大学農学部の池田敬准教授との共同研究による新品種の開発に取り組むなど、「植物工場の総合エンジニアリング企業」としてソフト・ハードの両方を提供し、植物工場ビジネスの「新しい形」を見出していく。

同社は、三菱重工業の冷熱製品総代理店として、1948年の創業以来、空調設備や冷凍冷蔵、給排水衛生設備工事を中心とした建築設備工事の設計・施工からメンテナンスまでを一貫して行ってきた。中でも食品工場や飲食施設の厨房、病院内の洗浄・殺菌システムにおける技術水準は高く、宿泊施設などの民間工事から諸官公庁工事まで幅広い施工実績を持つ。

本工場の最大の特色として、「独自の配合技術を施した培養液の使用」と「栽培室全体のダクトレス化」をあげる。乳酸菌飲料工場などのエンジニアリングビジネスで培った、フィルターを用いた殺菌技術を応用するとともに、植物に対して成長を促すストレス管理を含めた「Ryonetsuヘルスメンテナンスシステム」を採用することで、野菜の「長鮮度」と「栄養価調整」を可能にした。また、空調には空冷ヒートポンプマルチパッケージエアコンを使い、栽培室全体にダクトレスで温度を調節した風を送る「Ryonetsuリレー空調システム」を採用。これにより栽培環境(温度・湿度・CO2濃度)の均一化を低コストで実現した。

同社では、建設コスト面での負担を軽減し、大手以外の企業や地方自治体でも植物工場事業に参入できるような提案を推し進めている。数百株単位の小規模なものから既設の倉庫などの空きスペースの利用、LEDを中心とした光源、遠隔地からの全オペレーション監視の設計、施工、栽培指導まで行う。将来的には海外での植物工場建設も視野に入れている。

植物工場は、人工的に高度な環境制御を行うことにより、野菜等を周年・計画生産する 施設園芸農業の形態のひとつ。植物工場は、野菜の安定供給を実現するとともに、食の安全・安心、消費者の健康志向にも合致する。また、地域雇用や、東日本大震災の被災地では、農業復興の手段として注目されている。日本の新たな輸出産業としても期待できるため、農林水産省と経済産業省は2008年に共同でプロジェクトを立ち上げ、以来多くの企業が植物工場の建設に乗り出している。農水省によると、全国の植物工場は今年3月時点で153カ所と、4年前の約3倍に増えている。しかし、現状では工場建設に高額の初期投資が必要で、人工光や空調費など生産に要する光熱費もかさむため、採算が合わずに撤退するケースも見受けられている。

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