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ペーパーハニカム構造体の新しい被膜技術 強化・耐水・低コスト化など

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ペーパーハニカム構造体の新しい被膜技術 強化・耐水・低コスト化など

産業技術総合研究所は、蜂の巣(ハニカム)状の紙や金属が並んだ成形体「ペーパーハニカム構造体」の表面を多孔質シリカで被膜し、強度、耐水性、難燃性などを向上させる技術を開発した。

同技術は、ペーパーハニカム基材にケイ酸アルカリ金属塩を塗布し、炭酸化することで多孔質シリカ被膜を形成することにより、耐水性や難燃性を持つペーパーハニカムが低コストで製造できるのが特長。多孔質シリカで被膜されたペーパーハニカム基材は、強度に優れ、多孔質シリカ被膜の比表面積を制御することにより、調湿機能を持たせることもできる。また、バイオプロセスや水処理などのさまざまな工程での前処理や分離など、幅広い用途が期待される。

今後は、開発した多孔質シリカ被膜付きペーパーハニカム構造体の多機能性評価を実施。また、耐水性や難燃性、調湿機能を利用した建材関係への応用、担持体、浄化材への応用などを目指す。

軽量性、熱特性、吸音特性に優れた「ハニカム構造体」は、広範な技術のさまざまな局面で従来から効果的に利用されてきた。しかし、紙を用いた「ペーパーハニカム構造体」は、耐水性や難燃性が弱点で、それらを向上させるには樹脂や無機物を多量に混合したり、高温処理したりする必要があるため、処理工程の煩雑さやコスト高などが問題となっていた。

今回の新技術について、処理前基材と多孔質シリカ被膜基材の試験体を作製し「流水試験」を行ったところ、処理前基材は30分程度で形体の崩れが見られたが、多孔質シリカ被膜基材は流水に一週間浸漬しても形状の変化が見られず、耐水性が大幅に向上していた。同じ試験体について「燃焼試験」を行ったところ、処理前基材はすぐに燃焼し始めたが、多孔質シリカ被膜基材では形体の変化はなく、わずかな変色が見られる程度だった。多孔質シリカで被膜することによりペーパーハニカム構造体に難燃性を付与することができた。

また「圧縮試験」においては、処理前基材の圧縮強度0.85MPaに対し、多孔質シリカ被膜基材では被膜の効果により4.4MPaにも達した。いずれも最大応力到達後は応力を低下させながら変形していくものの、圧縮強度が著しく高い多孔質シリカ被膜基材の方が変形を起こしにくいことがわかった。さらに、処理条件を変えることにより、基材表面の多孔質シリカ被膜の膜厚や比表面積をさまざまな用途に応じて制御できる。調湿機能については、「吸湿試験」を実施した結果、処理前基材に対して多孔質シリカ被膜基材の吸湿率は5倍程度高くなった。

このように、基材を多孔質シリカで被膜することで、ペーパーハニカム構造体に環境負荷物質の低減、製造プロセスの省エネルギー化に繋がる機能性を持たせることが可能となった。

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