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完全人工光型植物工場市場は2018年に12年比3倍の88億円に拡大、民間予測

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2018年の国内完全人工光型植物工場市場は、企業の農業参入、六次産業ビジネスの創出により、12年比3倍の88億円となる見通し。市場調査会社の富士経済が、「第3次ブームの到来」と注目を浴びる植物工場と施設栽培ビジネス市場を調査した結果として予測した。

■植物工場(完全人工光型):

13年見込42億円、18年予測88億円(12年比3倍)
(内訳)プラント型:13年見込31億円、18年予測65億円(12年比3.1倍)
    ユニット型:13年見込10億円、18年予測23億円(12年比2.9倍)

植物工場(完全人工光型)市場動向の概要は以下の通り。植物工場市場は12年が29億円。遊休地を活用した企業の農業参入の増加や、大学や研究機関、福祉施設向けの小規模プラント/ユニット案件が多く見られるなど、市場は拡大した。

プラント型、ユニット型共に導入件数が増加している。特にプラント型の成長率が11年比50%と高くなっている。その理由のひとつとして、震災復興事業による補助金を活用した植物工場建設の増加をあげる。福島県川内村や白河市、宮城県多賀城市など東北地方で一日数千株出荷する大規模な植物工場が相次いで建設された。既に建設が内定している震災復興事業による案件もあるとみられ、東北エリアでは今後も新たな植物工場の建設が予想される。震災復興需要以外では、企業による遊休地の有効利用を目的とした植物工場への関心が高まっているほか、障害者雇用を目的とする事業者も見られる。

ユニット型は、栽培ビジネスを新規事業化したい企業が、実証試験として栽培を行い、栽培ノウハウを習得し、栽培可能品種の探索を行うために導入したり、また飲食店やホテル向けの食材の栽培用途に店舗に併設するケースが増えている。また最近では、植物工場の小型化が進み、家庭用兼業務用の植物工場を商品化するメーカーも出てきている。植物工場の参入メーカーは、10年前は10社程度であったが、現在はプラント型、ユニット型含めて40社以上が参入しているとみられる。

植物工場の展開におけるポイントとして、「栽培品種の拡大」と「海外進出」をあげる。栽培品種については、技術やノウハウの向上により植物工場で生産できるものが増えており、植物工場に対する顧客の幅が広がる可能性があると指摘する。一方、価格競争も厳しくなっていることから、従来よりも付加価値を高めた栽培作物への生産にシフトしていく傾向があり、今後も栽培品種が増えるとみている。

また、今後は国内需要だけでなく、海外への植物工場プラントの輸出ビジネスも期待される。既に、メーカーの中には実証試験用も含め海外で実績を積んでいるところもある。中国や東南アジア地域、中東、ロシアなど、露地栽培に不適な地域、又は安心・安全な野菜への需要が高い地域からの引き合いが増えている。現地企業向けのみならず、海外に現地法人を持つ日系企業が工場内の空きスペースの有効活用や、飲食店の自給用に栽培したいという問い合わせも多い。一方で、海外展開については、植物工場を導入した後のアフターサービス(消耗品の供給、設備メンテナンス対応、栽培ノウハウの提供)をどのように構築していくかという問題があり、解決すべき課題は多いと指摘する。

■アグリ関連市場:

13年見込534億円、18年予測680億円(12年比147.2%)

本調査では、植物工場(完全人工光型)や太陽光併用/利用型の養液栽培施設などの高度な施設栽培を始め、農業ICT化などの栽培ネットワーク関連技術、環境負荷低減に寄与する農業資材などについて、注目アグリ関連市場として集計分析している。

12年のアグリ関連市場は全体で462億円となっており、前年比11%の伸びが見られた。12年は東日本大震災の復興事業において、農業施設や農業機械、資材などに多くの補助金が投入されたことから、植物工場をはじめ、各種養液栽培プラントおよび、それに関わる栽培システム構成機器、装置、資材において市場の拡大が見られた。当面は震災復興需要による市場拡大が期待されるが、それ以降については、民間企業の農業参入が継続的に増加していくのか、また農業の担い手育成で政府が期待する土地を集約化して大規模な農業経営を行う事業者がどの程度増加するのか、その動向如何にかかっていくと考えられる。

人工光源は、これまで蛍光灯が主流であったが、今回福島県川内村に導入された量産化プラントで、初のLED光源が採用されたことで、ランニングコストの低減を実現できるLEDへの注目が高まっている。LED需要は更に高まると予想されるが、技術面やイニシャルコスト、LED寿命の信頼性など解決すべき課題がまだ残されていると指摘する。

栽培関連IT・ネットワーク技術市場は、現在農業のICT化を進めようとする動きがあり、ネットワーク技術を有する大手メーカーも農業分野への注力度を高めている。市場としては12年18億円(前年比5.9%増)と大きな動きは見られないが、生産者の栽培の効率化や農商工連携のビジネスが拡大していくことになれば、ICT化技術は不可欠なツールとなり、普及拡大が進むと予想する。

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