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京都大学、電気自動車の新しい変速システムを開発 走行距離を10%延長

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京都大学、電気自動車の新しい変速システムを開発 走行距離を10%延長

京都大学は、NEDOの若手研究グラント(産業技術研究助成事業)の一環として、従来の電気自動車(EV)に比べ10%走行距離を伸ばすことができる、変速時に駆動力抜けのない変速システムを開発した。

新開発の変速システムは、減速比を滑らかに変化させることができる非円形歯車を採用しており、変速中でも駆動力を伝えることが可能となる。

この変速システムをEVに搭載した場合、通常の走行性能の向上に加え、走行時の電力消費量も軽減でき、従来の変速機が搭載されていないEVと比較して、10%程度の走行距離延長効果が期待できる。

本プロジェクトにおいては、同変速システムを実際に実験用車両に搭載。同大学では、電気自動車EVUT(Electric Vehicle with Uninterrupted Transmission)として、今後様々な実証実験を行っていく。今後は、実用化に向けた研究を進めていく予定。

本開発の背景について、以下のように説明している。EVは1回の充電で可能な走行距離が短いことが普及の障害となっている。モータは高効率で運転できる回転速度とトルクの領域が限られている。変速機を用いて理想的な変速を行えば、モータを小型化できるとともに、モータの高効率な領域を有効に利用できるようになる。

しかし、変速機を用いると、変速作業中はモータからタイヤに駆動力が伝わらないため、速度が低下するとともに、体が前後に揺すられることから、運転者や搭乗者に不快感やストレスを与える。

また、加速をしたい状況にもかかわらず速度低下を生じるため、運転者は変速後に余分にアクセルペダルを踏み込む必要があり、このことが電力消費の改善効果を低下させる。無段変速機CVTを用いれば変速時の駆動力抜けは生じないが、CVTは伝達効率が悪いため、電力消費の改善効果は限定的となる。

このようなデメリットがあるため、現在の電気自動車には一般に変速機が搭載されていない。すなわち、電気自動車では、変速時に駆動力が抜けず、かつ、効率の良い変速機が要求されている。

一方、変速機の駆動力抜けの問題は、一般的な乗用車・トラック・バスなどの従来型エンジン搭載車でも、加速時の燃費の悪化、加速性能の低下、不快感などを生じるため、課題となっている。

そこで、本プロジェクトでは、駆動力抜けの無い新しい変速システムを開発した。通常の変速機では歯車対の切り替えを行う際に動力源と駆動輪の間のトルク伝達を一度切断する必要がある。

本技術では、そのタイミングにおいて、非円形歯車によって駆動力を伝達する。非円形歯車は減速比を滑らかに変化させることができる形状をしており、切り替えを行う2組の歯車対の中間的な状況を作り出し、変速中でも駆動力を伝えることができる。

これにより、変速の際に速度が低下することを防ぐ。スムーズに走行するため、変速後に余分な加速が必要なく、またCVTとは異なり歯車によって駆動力を伝達するため、高効率の実現を可能とした。

エンジン搭載車用にも使える4段変速用非円形歯車

エンジン搭載車用にも使える4段変速用非円形歯車

【参考】
NEDO - 変速時の駆動力抜けのない変速システムを開発

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