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リチウムイオン電池に塗布型不織布 高耐熱・発火リスクを低減できることが判明

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リチウムイオン電池に塗布型不織布 高耐熱・発火リスクを低減できることが判明

三菱製紙は、リチウムイオン電池セパレータとして、塗布型不織布がNi系正極のリチウムイオン電池においても高い安全性を確保できることを確認したと発表した。

同社では200度以上の温度でも目立った収縮を示さないポリエステル不織布にセラミック塗布を行うことで、より耐熱性の高いセパレータ「NanoBaseX」の開発を目指してきた。

今回、同社は量産化を実現した「NanoBaseX」(30μm)セパレータについて、高温時の安定性が低く、一般的な正極材料の中では安全性を確保しにくいと言われているNi系正極(LNO)を用いたリチウムイオン電池の釘さし試験を実施し、塗布型微多孔膜より高い安全性を示すことを確認した。

この30μm厚のNanoBaseXセパレータは、中国でMn系正極のリチウムイオン電池用セパレータとして採用が決定しており、自動車用のスターター電池(鉛電池の代替電池)としてのモニターテストで環境特性も含め良好な電池性能が確認されている。さらに、三菱製紙ではこのNanoBaseXの薄膜化に取り組んでおり、既に25μm厚のプロトタイプは試作が完了し、2014年春までには20μm厚のNanoBaseXの完成を目指している。

セパレーターは、正極と負極を分離する膜で、リチウムイオン電池の主要部材のひとつ。現在主流となっている微多孔膜は耐熱性が課題となっている。その耐熱性を改善するために、微多孔膜の片面あるいは両面に数μmの耐熱層を設ける塗布型微多孔膜の使用が増えてきているが、もともと耐熱性の低い微多孔膜を使用しているため、その効果は限定的と見る意見もある。

そこで、同社は、特殊紙・不織布製品で培ったナノ繊維技術等を活かし、耐熱性等の電池特性向上と低コストの両方を実現することを目指し、リチウムイオン電池用不織布セパレータの開発に取り組んできた。

今回の釘さし試験では、総厚25μmの塗布型微多孔膜(両面に2μmの耐熱性塗布があるもの)を使用したリチウムイオン電池との比較を行ったところ、塗布型微多孔膜では釘刺し直後に激しく発火発煙し熱暴走に至った。一方NanoBaseX使用の電池では、釘刺し後も目立った変化は起こらず、電池の表面温度も実験終了までの30分間で最大でも60度程度に止まっていた。いずれのリチウムイオン電池も、負極にはハードカーボンを使用して、容量は1.7Ahのラミネートとなっている。

リチウムイオン電池は、携帯電話やパソコンなどの情報端末から、大量のエネルギーの蓄積が必要な電力貯蔵用途や電気自動車用途などに用途が拡大している。それに伴い、より容量の大きなリチウムイオン電池の需要がますます増加すると予想される。そして、これら電池の大型化・高エネルギー密度化に伴い、電池の熱暴走などの重大事故を回避するための安全対策も今まで以上に重要になってきている。

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