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世界のエネルギー問題、最重要課題はエネルギー価格の不安定性

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世界のエネルギー問題、最重要課題はエネルギー価格の不安定性

世界エネルギー会議(WEC)は「2014年世界エネルギー課題モニター」報告書をとりまとめ、エネルギー価格の不安定性と不況が、これまでの気候変動問題にかわって、初めて世界のエネルギー問題における最重要課題となったという調査結果を明らかにした。

「2014年世界エネルギー課題モニター(World Energy Issues Monitor)」報告書は、84カ国におよぶ、大臣、最高経営責任者やWEC国内委員会の会長など800名を超えるエネルギー分野のトップの意見を集約した、6カ月に及ぶ調査研究の成果となっている。

本報告書によると、気候変動問題に関わる枠組みの不確実性については、これまでと同様重要課題と認識されてはいるものの、その影響に対するエネルギー分野のトップらの評価は、過去3年間の調査と比べて低下している。一方、CO2回収・利用・貯留(CCUS)はエネルギー分野に対して未だ限定的な影響力しかない技術であると考えられている。これは過去3年間に見られたはっきりとした傾向が継続している。

報告書発表の場で、WEC事務局長クリストフ・フライ氏(Christoph Frei)は、次のように見解を述べている。

「気候変動枠組みとCCUSの影響力の大きさに対する認識がこれまでより低下したことは、CO2排出削減のみならず、強靭なエネルギーインフラを開発するという観点からも残念なこと。エネルギーシステムは大発展、大変革の時期を迎えている。今回の調査結果は、将来の投資を計画する上で必要な、より強固で、整合性があり、長期的な枠組みを急いで作らなければならない、ということをはっきりと示している」


さらに、長引く不況下において、エネルギーインフラに対する投資資金をエネルギー業界が資本市場から十分調達しうるかについて、エネルギー分野のトップらがますます懸念を深めていることも、今回のWECの調査で明らかになった。

一方、再生可能エネルギーやエネルギー効率向上は引き続きの関心事項だが、欧州や北米よりも、エネルギー需要が急速に伸びている中東においてより大きく関心が高まってきている。大規模水力発電は、中央アフリカ、ラテンアメリカ、ロシアそしてカナダでも大きな開発余地が残っており、改めて検討課題として取り上げられるようになった。

本報告書では、世界規模でのエネルギーに関する課題を考察するとともに、世界6地域および24か国におけるトレンドや展望についても分析している。

地域ごとに課題認識に大きな違いがあることについても焦点を当てている。エネルギー価格以外の、各地域における最重要課題は次の通り。

  • アフリカ:気候変動枠組み、物価上昇
  • アジア:再生可能エネルギー
  • ヨーロッパ:世界的不況
  • ラテンアメリカとカリブ海地域:物価上昇、資本市場
  • 中東および北アフリカ:エネルギー効率向上、再生可能エネルギー
  • 北アメリカ:原子力、資本市場

世界エネルギー会議(World Energy Council:WEC)は、すべてのエネルギーを横断的に扱う非営利の民間組織として1924年に創立された。先進国から途上国まで世界の約100カ国・地域が加盟している。WECは、エネルギー問題関連の重要な問題を研究、分析、討議し、社会および政策決定者に対して、その意見や助言、勧告を国際的に提供している。また、WECは3年ごとに世界大会を開催している。WEC日本国内委員会が一般社団法人日本動力協会が運営している。

報告書(英語版)は以下のサイトからダウンロードできる。

【参考】
世界エネルギー会議 - World Energy Issues Monitor 2014

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