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除染植物「ネピアグラス」 放射能汚染された農地から高効率でセシウムを吸収

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除染植物「ネピアグラス」 放射能汚染された農地から高効率でセシウムを吸収

弘前大学は、福島県浪江町の汚染農地で栽培した除染植物「ネピアグラス」の分析結果を明らかにした。

これによると、セシウムを吸収するネピアグラスの除染率は0.721%で、除染に効果があるとされるソルガムの6~23倍、アマランサスの4倍程度と極めて高い水準にあり、国による除染(表土剥離法)では困難な農地除染に有効であると考えられる。また、ネピアグラスを栽培し、確実に除染することで、除染が完了するまで通常の作物が栽培できない農地の保全にも有効と考えられる。

ネピアグラスはカリウムの要求度が高く、カリウムが土壌中に少ない場合、カリウムのかわりにセシウムを吸収することが明らかになった。これは、セシウム(Cs)とカリウム(K)が同じアルカリ1族であり、植物へ吸収される際、競争的吸収阻害が生じることを活かしたもの。今回の分析を行った実証実験では、Cs吸収量を上げるためにカリウム肥料は与えず、窒素とリン酸だけを施肥した。

来年度からは、除染期間を短縮するため、微生物学的・化学的手法を取り入れ、さらにネピアグラス茎葉部の乾物収量やセシウム吸収率を高めて除染率を上げていく。また、ネピアグラスは巨大な茎葉部乾物収量を持ち、除染後にバイオ燃料の原料としての利用可能性が高いため、今年度以降、バイオエタノールの生産・利用可能性を実証する予定。

セシウムを吸収した植物からのバイオエタノールを生産・利用可能性も検討する

セシウムを吸収した植物からのバイオエタノールを生産・利用可能性も検討する

弘前大は、福島県浪江町と放射線問題の解決を目指し、2011年9月に連携協定を締結。これを受け、弘前大では全学横断となる組織「福島県浪江町復興支援プロジェクト」を立ち上げ、各種支援活動を展開している。

支援活動の一つとして、浪江町の農業の復興を目指し、巨大な茎葉部を持つ南方系のイネ科植物「ネピアグラス」栽培による汚染農地の除染研究を行ってきた。

昨年度は郡山市と二本松市で実証栽培試験を行い、今年度は浪江町の協力を得て、浪江町内の汚染農地(田・畑)での実証試験を行った。

【参考】
弘前大学 - 福島県浪江町での除染植物「ネピアグラス」実証試験結果と「プラント」計画について

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