> > ニラの下葉を除去する機械 電力消費量が半分に

ニラの下葉を除去する機械 電力消費量が半分に

記事を保存
ニラの下葉を除去する機械 電力消費量が半分に

農研機構生研センターは、出荷前のニラの不要な下葉等を取り除く機械として、従来機と比較して、電力消費量を約1/2に削減できる省エネ型装置を開発した。今後、農機メーカーへの技術紹介を進め、装置の実用化を目指す。

今回開発したのは、圧縮空気を間欠的にニラの株元に噴射して下葉除去を行う装置。連続的に空気を噴射する従来の機械と比較して、空気使用量は約1/2となり、それに伴い圧縮空気を作り出すコンプレッサーの消費電力も約1/2に節減できる。さらに、ニラへのダメージが少なく、下葉除去の成功率も向上し、調製作業全体の効率化に貢献する。

本装置の具体的な特長は次の通り。大きさは全幅610×奥行420×全高570mm、質量は24kg。上下2個のノズル間にニラの株元を挿入すると、光電センサが作物の有無を検出し、作物が挿入されている時のみ空気噴射用電磁弁を高速で入り切りして間欠的にニラに圧縮空気を吹き付ける。噴射頻度及び噴射・停止の時間割合(オンオフ比)を容易に設定可能。なお、ノズルは6個の噴射口を直列に配置した慣行機と同様のものを使用している。

上下ノズル間にニラを挿入する様子

上下ノズル間にニラを挿入する様子

本装置は、10~15Hz(1秒間に10~15回のオン・オフ)のサイクルで5秒間の間欠噴射により、ニラにダメージを与えることなく、きれいに下葉の除去を行うことができる。噴射設定圧力は、従来機と同程度の0.5~0.6MPa。

開発機における下葉除去に成功したニラの本数割合は約80%で、従来機を利用した場合より20ポイント程度高く、茎が割れたりするなどの損傷もなかった。精度良く下葉除去を行うことができるので、調製作業全体の効率化に寄与する。

1日作業相当分におけるコンプレッサーの電力消費量においては、開発機の場合は8kWh程度で、従来機を利用した場合(15kWh)の約1/2に削減されていることが確認された。

装置を利用した生産者からは「使い方は従来機と同様なので問題は無い」「間欠噴射は、株元に付着した下葉、汚れなどが連続噴射の従来機よりきれいに除去できる」などと好評を得ている。

開発機の留意点としては、2.2kW程度以上のコンプレッサーでの利用が望ましいとしている。また、開発機の耳元騒音は97dB(A)程度で、従来機の102dB(A)程度と比較すると、若干の改善が図られているが、作業には耳栓など騒音に対する防護具の装着が必要となる。(※「dB(A)」は人の聴感覚に近い音を取りだして補正した数値)

同センターによると、ニラの国内栽培面積は2,240ha程度だが、同一ほ場(菜園)において年間5~6回程度収穫が可能で、延べ栽培面積としては約1万2,000haにも達する重要な野菜の一つ。ニラ栽培は、ハウス栽培による周年出荷ができるため、栽培の投下労働時間は10a当たり780h程度だが、刈り取り、下葉除去や選別、結束といった収穫調製作業がそのうち約3/4を占めている。下葉除去には、ニラの株元に圧縮空気を吹き付け不要な下葉や汚れを取り除く機械が一般的に利用されているが、大量の圧縮空気を使用しているため、大型コンプレッサーが必要となり、電気料金も多くかかっていた。

そこで、同センターでは、平成23年度から圧縮空気の使用量削減を目的としたニラの下葉除去装置の開発に着手した。平成23年度は、間欠的に圧縮空気を噴射することによる空気使用量の削減に着想して、基礎試験装置を試作し、間欠噴射によって空気使用量を削減できることを確認した。平成24年度は、直列に噴射口を配列した慣行機と同様のノズルを設け、電磁弁の動作によって噴射のオン・オフを行う試作機を製作し性能試験を実施するとともに、群馬、栃木、茨城のニラ産地で実証試験を実施し、連続的に空気を噴射する従来の機械と性能を比較するとともに開発機の取り扱い性について調査を行った。

農研機構は独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の通称。14の研究所等があり、食料・農業・農村に関する研究開発を行っている。生研センター(生物系特定産業技術研究支援センター)は、農業機械化促進業務と研究資金業務を行っている。

【参考】
農研機構 - 省エネ型ニラ下葉除去装置を開発

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.