> > NEDO、水処理の新システムを開発 海水淡水化と下水処理を統合 

NEDO、水処理の新システムを開発 海水淡水化と下水処理を統合 

記事を保存
NEDO、水処理の新システムを開発 海水淡水化と下水処理を統合 

NEDOと海外水循環ソリューション技術研究組合(GWSTA)は、海水淡水化と下水再利用プロセスを組み合わせた新たな海水淡水化・下水再利用統合システムを開発した。

さらにNEDOが北九州市内に設置した「ウォータープラザ北九州」において実証の結果、従来の海水淡水化システムに比べ30%以上の省エネルギー、低コスト化を実現した。

また、実験施設で得られた生活水は、周辺施設に提供された。特に九州電力では、2年以上ボイラー用水として連続的に使用され、良好な結果が得られたことから、同システムの実用化への信頼性が確認された。

同システムは海水淡水化プロセスと下水再利用プロセスを統合した独自のシステムだ。下水再利用プロセスでは、下水を膜分離活性汚泥法で前処理した後、低圧の逆浸透膜(RO膜)で処理し、生産水として工業用などに利用する。RO膜処理からの低濃度の濃縮水を海水淡水化プロセスに送り、限外ろ過膜(UF膜)で前処理した海水と混ぜ、「中圧」のRO膜で処理したものは、生産水として利用が可能になる。

海水淡水化のプロセスでは、通常「高圧」のRO膜で処理するところ、同システムでは、海水と下水の処理で残った低濃度の濃縮水を混ぜ、海水濃度を下げているため、「中圧」のRO膜での処理が可能となり、ポンプ等に必要な電力を抑えることで30%以上の省エネルギー化が実現できる。

また、下水処理プロセスからの低濃度の濃縮水を利用していることから、海水の取水量を減らしつつ放流水の塩分濃度を抑えることができ、環境への負荷を小さくすることができる。さらに、取水設備やUF膜設備の容量を減らすことで、コストも30%以上節約できる。

海水淡水化・下水再利用統合システムの概要

海水淡水化・下水再利用統合システムの概要

日本では、民間企業による水処理技術と地方自治体の上下水道事業運営に関する高度な技術やノウハウがあるものの、水処理上の運営から、技術管理を含めた総合的な競争力に関しては他国より弱い側面があった。このため、NEDOは「省水型・環境調和型水循環プロジェクト」において、世界トップレベルの国内独自技術を結集し、デモプラント機能とテストベッド機能を持つ「ウォータープラザ北九州」を構築。国際競争力のある省エネルギー水処理プラントの運営管理ノウハウを蓄積し、我が国の技術力を世界へ向けて発信することを目的としている。

同施設では、これまでに延べ4700人以上(そのうち、海外からは1000人以上)の見学者を受け入れてきた。特に海水淡水化処理を必要とする国々に対しては、最適な水処理のパッケージを提案し、日本の高い水処理技術を国内外へ発信してきた。 今後NEDOは、本事業の成果を基に、世界の水ビジネス市場における日本企業のプロジェクト展開と事業化を推進する。

また、NEDOは、平成26年4月11日に北九州市国際会議場において「海外水循環ソリューション国際シンポジウム in 北九州」を開催する。同シンポジウムでは、「ウォータープラザ北九州」で行っていた実証研究の成果発表の他、国内外から有識者を招き、今後の水ビジネスの展開についての講演・意見交換を行う予定だ。

海外水循環ソリューション技術研究組合(GWSTA)とは、日立製作所インフラシステム社と東レが中心となり、水ビジネスの国際展開を加速するために設立した技術研究組合。先進的な水循環システムの開発や事業運営・管理ノウハウの蓄積、独自の水循環ソリューションの構築・事業化に共同で取り組む。

【参考】
NEDO - 海水淡水化と下水処理を統合した新規水処理システムを開発

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.