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カナダ・オンタリオ州、再エネ買取制度の自国産品優遇措置を是正 WTO協定違反に対応

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カナダ・オンタリオ州政府は、7月24日、WTOパネル及び上級委員会報告書を受け、電力法を改正し、再生可能エネルギーの固定価格買取制度における内外差別の根拠となる規定を削除した。今回の法律は即日施行され、経済産業省が本件について発表した。

本件は、WTO紛争案件として、再生可能エネルギー分野における自国産品優遇措置がWTO協定違反と判断された初のケースとなる。

日本はオンタリオ州の州産品優遇措置について、WTO紛争解決手続を活用することで主導的に解決することにより、本措置の是正と、再生可能エネルギー分野における保護主義的措置の世界的な拡散を防止し、判例構築を通じた通商ルールの明確化と発展に貢献することを企図してきた。

経済産業省は、今般、オンタリオ州において本措置を是正する法律が施行されたことについて、類似措置を維持している他国にも影響を与えると考えられ、成長産業と位置づけられる再生可能エネルギー分野の保護主義を抑止する観点からシステミックに重要な意義を有するものと説明している。

日本としては引き続き、改正後の法律及び関連規則の状況を注視し、必要に応じてWTO協定に整合的な運用を求めて働きかけを行っていくとしている。

これまでの経緯は以下の通り。

オンタリオ州が2009年5月に導入した再生可能エネルギー(太陽光風力)による電力の固定価格買取制度(Feed In Tariff(FIT)プログラム)において、買取条件として、一定割合以上の付加価値(原材料調達、組立等)を同州内で付加した発電設備の使用が義務付けられていた(ローカル・コンテント要求)。当措置により、太陽光発電パネル等の製品を生産する日本企業など国外企業は、オンタリオ州内で製造された製品と比べ、不利な扱いを受けていた。

そのため、日本は、EUとともに2010年9月、FITプログラムにおけるローカル・コンテント要求は、WTO協定に違反するものであるとして、WTO紛争解決手続を活用した。その後、WTO紛争処理小委員会(パネル)は、2012年12月、オンタリオ州の州産品優遇措置について、WTO協定に違反するとの日本の主張を概ね認める判断を示し、2013年5月に公表されたWTO上級委員会報告書もパネルの判断を支持した。

これらの判断を受けて、日本及び共同申立国であるEUは、カナダ及びオンタリオ州に履行を促してきた。オンタリオ州政府は、本年3月にローカル・コンテント要求を削除する法案を州議会に提出したが、本年5月の州議会解散により、同法案は廃案となった。その後、本年6月の州選挙において与党が信任され、同法案が再びオンタリオ州議会へ提出され、本年7月24日、同法案が可決された。

【参考】
経産省 - カナダで再生可能エネルギーに関する内外差別を是正する法律が施行されました

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