> > 燃料電池、さらに安く&長寿命に 新技術で白金使用量を90%削減

燃料電池、さらに安く&長寿命に 新技術で白金使用量を90%削減

記事を保存
燃料電池、さらに安く&長寿命に 新技術で白金使用量を90%削減

九州大学と科学技術振興機構(JST)は、白金の直径と固定密度を低減することにより利用有効比表面積を増加させる方法で、固体高分子形燃料電池セルに触媒として用いる白金使用量をこれまでの10分の1に削減することに成功した。

これにより、現在、燃料電池車1台に25万円かかっている白金のコスト化削減が非常に有利になる。また、燃料電池そのものの寿命を向上させる可能性もあり、買い替え回数を減らす効果も期待される。

さらに、同研究においては、2030年以降の目標とされている100℃以上での発電をすでにクリアしているため、次世代燃料電池開発においても重要な結果と言える。100℃以上の発電では、従来の燃料電池システムに必要であった加湿器や冷却器が不要になるため、低コスト化に有利とされている。今後はメーカーと共同で実作動条件におけるテストなどを重ね、5年後の実用化を目指す。

固体高分子形燃料電池は、クリーンでエネルギー効率が高く、かつコンパクトであることから、車や家庭用電源への本格的導入を目指して多くの研究開発が行われている。しかし、触媒として用いている白金の価格が高価なため、普及には白金の使用量を減らし、コストを削減した燃料電池の開発が急務とされている。その触媒反応の際には、白金粒子の表面のみが利用されており、白金の使用量を削減するためには、同じ白金の量でなるべく大きな表面を作り出せばよいことになる。

今回、白金をなるべく無駄なく利用する研究に取り組んだ。同じ重さ当たりの表面積(比表面積)を大きくする最も簡単な方法は、粒子の直径(粒径)を小さくすること。研究グループは、触媒となる白金粒子を固定化(担持)する導電性カーボン(ここではカーボンナノチューブ)にポリベンズイミダゾール(PBI)と呼ばれる接着剤のような物質をあらかじめコーティングしておくことで、白金粒子が極めて均一に担持できる独自技術「ナノ積層技術」を開発してきた。同技術を利用し、仕込む白金粒子の原料(白金塩)の添加量を少なくすると、白金粒子が大きく成長できずに、小さく止めることができた。

一般に、白金の粒径を小さくすると、表面が不安定化しお互いに凝集しやすくなり、性能が低下しやすいことが知られている。しかし、今回開発した白金粒子は「のり」となる物質を介して導電性カーボンにしっかりと吸着する独自の技術を用いているため凝集しにくく、かつ白金粒子間の距離もより離れているので、凝集が起こりにくく、燃料電池の寿命を向上させる可能性が期待される。

【参考】
九州大学 - 固体高分子形燃料電池の白金使用量削減に成功~コスト削減による燃料電池の普及を加速~

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.