環境用語集 燃料電池車
燃料電池車
燃料電池車(Fuel Cell Vehicle)は、燃料電池を搭載した自動車で、水素と酸素の化学反応で得られる電気エネルギーを利用し、モーターを駆動させる。ガソリン駆動車に比べてエネルギー効率が高いのが特徴。排出されるのは水だけで、CO2やNOx、SOxなどの温室効果ガス・大気汚染物質が排出されないため、「究極のエコカー」とも言われている。
メリット
・エネルギー効率が高い。
(燃料の原料採取~走行までの効率が、ガソリン車で15%程度、燃料電池車で30%程度とされている。)
・CO2などの温室効果ガス、NOx、SOxなどの大気汚染物質が排出されない。
・1回の水素充填で、ガソリン車と同等の距離を走行することができる。
(例えば、トヨタの「FCHV-adv」で830km(10・15モード走行時)。)
デメリット
・水素製造技術が確立されていない。
・水素の供給インフラが整っていない。
・燃料電池の触媒に白金を使っていることなどから、製造コストが高い。
今後の動き・展望
現在、トヨタやホンダが燃料電池車のリース販売を行っている。トヨタは、2008年9月に「FCHV-adv」を環境省に、ホンダは同11月より、「FCXクラリティ」を官公庁や一部の民間企業に対して販売。また、トヨタは日野自動車と共同で燃料電池バスを開発。中部国際空港のシャトルバスやランプバスとして貸し出された他、東京マラソンなどのイベントにも利用されている。 他にも、日産が2008年11月に「X-TRAIL FCV」を日光市に納入、スズキもGMと共同で燃料電池車を開発するなど、市場投入に向け、開発が進められている。
最近では、トヨタが2015年に燃料電池車を商用生産すると発表し、徐々に市場投入に向けた動きが加速している。また、白金代替触媒の実用化に向けた研究も進んでおり、今後は製造コストがどれだけ下がるかも注目だ。
また、インフラ整備の面では、経産省主導のJHFCプロジェクトが、燃料電池車の普及や水素ステーションのインフラ整備に向けた研究・活動を実施中。現在、関東地方を中心として合計11カ所の水素ステーションを設置している。一方、民間でも、新日本石油や東京ガスなど13社が、2009年7月に「水素供給・利用技術研究組合」を設立。2015年をめどに水素供給ビジネスを事業化させるとしている。
海外では、2009年12月11日、ダイムラーが同社初の量産型燃料電池車「BクラスF-CELL」を発表。まず200台を量産し、2010年春から米国と欧州でリース販売を開始する予定だ。最高速度は170km/h、航続距離は400km程度。
燃料電池車の参入メーカー
トヨタ
ホンダ
日産自動車
スズキ
ヤマハ発動機
ダイムラークライスラー
GM
フォード
【関連ページ】
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