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2030年、国内の住宅用太陽光発電市場は3.6倍に伸長の予測 民間調査

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富士経済の調査によると、設置ベースでの国内太陽光発電システム市場は2030年度に産業用が6GW(2013年度比5.3%増)、1兆4,000億円(同24.3%減)、住宅用が5GW(同3.6倍)、1兆5,000億円(同2.5倍)になる見通し。住宅用はインセンティブが低下しても導入しやすく、中長期的には日陰の住宅を除き、ほとんどの住宅で導入されると予想する。

また、国内太陽電池(モジュール)市場は買い取り価格の引き下げと共に出荷量は徐々に減少に転じていくが、それでも2016年度以降数年間は9GW台を維持するとみている。

富士経済は、27日、世界及び国内の太陽電池関連市場を調査・分析した結果を発表した。調査期間は2014年4月~9月。注目市場として、世界・国内ともにパワーコンディショナ市場をあげた。同市場は太陽光発電の導入に応じて拡大するが、今後はリプレイス需要が見込まれる。

太陽電池(モジュール)世界市場は2030年に123.6GW(2013年比2.7倍)、5兆1,270億円(同1.6倍)になる見通し。太陽電池関連市場は政策支援によって拡大し、特需による拡大はいずれ収束に向かうが、太陽光発電システムの販売価格の低下によって導入の経済的ハードルが下がれば政策に依存しない市場形成が期待される。これまでのドイツ、イタリア、中国、日本、米国といった主要な需要国以外でも導入機運が高まっていくと予想する。

その他、調査結果の概要は以下の通り。

■世界市場(世界市場は1月~12月の“年次”)

○太陽電池(モジュール)

太陽光発電の導入を支援する各国のエネルギー政策に支えられ、2013年に45,855MW、3兆1,300億円となり、出力ベース、金額ベース共に拡大。太陽電池の主要需要地はこれまで欧州であったが、日本や中国などアジアの需要が拡大している。特に中国で需要が拡大しており、2013年は生産と共に導入量も世界最大となった。

太陽電池市場は出力ベースで毎年拡大してきたが、価格ベースでは量産効果、企業間競争、生産効率の向上などにより年々低下している。また、スペインショックによる需給の緩みと世界的な景気後退が併発した2009年、欧州金融危機が響いた2012年に大幅に下落し、金額ベースで大きく縮小。同時に価格の下落で競争力をそがれた多くのメーカーが淘汰されている。

しかし、価格の下落が太陽光発電の普及促進に結びつき、導入量が減少することはなく、計画以上の導入を達成する国や地域も出ている。中には、発電コストと系統電力からの電気料金が同等となる『グリッドパリティ』を達成しているところも少なくない。

近年のアジアを中心とする需要拡大による太陽電池メーカー各社の収益改善に伴い、新しい生産技術や部材の導入、製品開発が活発化して、市場は活況を呈している。

○パワーコンディショナ

  2013年 2030年予測 2013年比
パワーコンディショナ 40,000MW 195,000MW 4.9倍
1兆1,000億円 3兆5,000億円 3.2倍

最大の需要地は欧州で、中型機では欧州が4割を占めるが、近年需要は低調である。一方、中国やインドなどの新興国、電力ポートフォリオを見直す米国や日本など需要が急増。これら国・地域では優遇政策依存度の高い地上設置型の大型案件が多く、大型機の需要が拡大している。

但し、長期に亘って太陽光発電を浸透させるには、屋根上設置の中規模案件や住宅用途で導入される環境を整える必要があり、また、発電所建設の適地が減少していくことから屋根上設置が増えるとみられ、中型機も一定の需要を維持すると予想される。

■国内市場(国内市場は4月~3月の“年度”)

○太陽電池(モジュール)

  2013年度 2030年度予測 2013年度比
太陽電池(モジュール) 8,650MW 11,000MW 127.2%
8,100億円 8,000億円 98.8%

2012年7月のFIT開始から急速に拡大。2013年度に出荷された太陽電池のうち7~8割が40円案件(2012年度に設備認定)向けであった。2014年度に入っても40円案件が数GW残っており、さらに36円案件(2013年度に設備認定)向けの出荷も本格化する。それらを考慮すると、2014年度の出荷量は10,000MWが見込まれるが、それをさらに上回る可能性もある。

2013年度の太陽電池の価格は、スケールメリットのある大型案件と価格攻勢で攻め入る外資系企業の増加、さらに参入増に伴う競争の活発化に伴って、全体的に下がっている。2015年度も2014年度並みの出荷量が予想されるが、価格の下落により金額ベースでは縮小するとみられる。

○太陽光発電システム(設置ベース)

  2013年度 2030年度予測 2013年度比
産業用 5,700MW 6,000MW 105.3%
1兆8,500億円 1兆4,000億円 75.7%
住宅用 1,400MW 5,000MW 3.6倍
5,900億円 1兆5,000億円 2.5倍
合 計 7,100MW 11,000MW 154.9%
2兆4,400億円 2兆9,000億円 118.9%

住宅用が中心であったが、2012年度のFIT施行後は産業用が大きく拡大している。余剰電力買取価格は2012年度に42円/kWh、2013年度に38円/kWh、2014年度には37円/kWhと年々低下しているが、導入量(設置)は引き続き増加。既築向けの増加に加えて、新築向けも増加している。

産業用はFITの施行により2012年度に需要が拡大しはじめた。ただ、大型案件が多く、その多くは2013年度以降に持ち越された。2013年度の導入量は前年度比8倍を超える市場となり、2014年度、2015年度も順調に拡大すると予想する。

○パワーコンディショナ

  2013年度 2030年度予測 2013年度比
パワーコンディショナ 9,950MW 19,000MW 191.0%
2,550億円 4,000億円 156.9%

2013年度の市場は小型機(9.8kW未満)、中型機(10kW級・100kW級)、大型機(250kW級・500kW級)ともにFITの恩恵を受けて増加し、前年度比2.1倍の9,950MWとなった。小型機は住宅用での需要拡大に加えて、特に産業用・低圧案件での需要が急増した。大規模太陽光発電所向けが多い大型機は、その恩恵を最も受け、2013年度は出力ベースで前年度比2.9倍にまで拡大。

中型機は新たに9.9kWや25kW前後の機種を市場投入する動きが見られる。一方で、大型機はインセンティブの低下の影響を最も受ける。日本では発電所建設に適した土地が減少していくことや系統容量の課題から、大規模案件が成立しにくくなっている点が懸念される。

中期的に見て産業用では、2015年度に大きくインセンティブが引き下げられるとみられるが、それでもFITによる一定の需要が期待される。長期的には小型機は、住宅用途と低圧案件からの新規需要に加えて、リプレイス需要が期待される。大型機はリプレイス需要が中心になると予想される。

世界市場(世界市場は1月~12月の“年次“)

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