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ウェアラブル端末の消費電力80%カット! ローム・神戸大学が新技術開発

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ウェアラブル端末の消費電力80%カット! ローム・神戸大学が新技術開発

ロームは、神戸大学吉本雅彦研究室と共同で、次世代のウェアラブル生体センサに最適な世界最小となる超低消費電力技術の開発に成功したと発表した。

本技術は、電源が遮断されてもデータを失わない「不揮発性メモリ」を活用し、処理がない時間は電源を積極的にオフして待機電力の発生を抑制するもの。必要に応じて電源を即座にオンすることで、システム内の真に動作すべき構成要素以外の電源を積極的に遮断する「ノーマリーオフ動作」を実現し、消費電力の極小化を達成した。

「ノーマリーオフ動作」導入前後イメージ

「ノーマリーオフ動作」導入前後イメージ

本技術を用いたウェアラブル生体センサモジュールは、平均消費電流38µAと従来比1/5の消費電力で行うことが可能。さらに、消費電力を従来比1/10とする目処も立っており、従来のバッテリー寿命を10倍に延ばすウェアラブル生体センサの製品とともに、構造物の監視センサや農業用センサなどへも広く応用が期待される。

スマートフォンやウェアラブル機器(身につけて用いる電子機器)など小型・軽量のモバイル電子機器において、電力使用量を小さく抑えて、バッテリーを長持ちさせることは追求すべき課題の一つとされている。特にウェアラブル機器はユーザーが装着していることを忘れるほど、バッテリーを小さくし、かつ長時間動作させる必要がある。

この課題に対しNEDOは、不揮発性デバイスを使用することで、消費電力を従来の1/10に低減することを目標に「ノーマリーオフコンピューティング基盤技術開発」プロジェクトを2011年に開始し、企業・大学がその支援を受け研究を行っている。

その中でロームと神戸大学の吉本研究室は、ロームの0.13μm CMOSプロセス、長年製品実績のある不揮発性メモリ(FeRAM)と不揮発性ロジックの技術を最大限に活用し、独自のノーマリーオフ化技術を確立した。

本技術を用いたウェアラブル生体センサモジュールは、体表面のわずかな電位差(心電波形)から心拍数を取得する。加えて、加速度センサなど他のデジタル出力センサの情報も取得し、演算、記録することができる。また、通信機能も搭載しており、スマートフォンからウェアラブル生体センサを制御したり、データの入出力が可能。これら動作を消費電流38µAと従来比1/5の低消費電力で実現する。

本技術では、下記3点の省電力化を実現することにより、世界最小の消費電力を達成した。

ノーマリーオフ動作による電力の極小化

ノーマリーオフ動作による電力の極小化

  1. 心拍取得部の電力を従来比1/20に削減
    消費電力が大きい心拍取得アナログ部に、新たに開発したノイズ耐性に優れた心拍波形取得アルゴリズムを適用し、さらに一部をノーマリーオフデジタル処理に置き換えることで、従来比1/20となる大幅な低消費電力化に成功
  2. メモリ部の平均電力を1/10以下に削減
    不揮発性メモリ(FeRAM)を応用した新構造の不揮発性RAMを開発・搭載することで、動作に必要なスタンバイ電流を大幅に削減
  3. ロジック部の消費電力を半分以下に削減
    ARM Cortex-M0を含むデジタル回路ブロックに不揮発性ロジックを適応することでノーマリーオフ化し、ロジック部の電力を大幅に削減

ロームは、既に顧客の要望に応じたウェアラブル生体センサモジュールの共同開発を始めている。また、消費電力を従来比の1/10とする目処も立っていることから、今後は、ロームの圧電MEMS(微小電気機械システム)デバイスと組み合わせた、電池不要のウェアラブル生体センサの開発を進めていく。

本技術のアプリケーション例として、ウェアラブル生体センサのほか、橋梁など構造物の監視センサ、農業用センサ、エナジーハーベスト電源対応LSI、パラメータ調整などの不揮発性機能付きローパワーLSIなどをあげている。

また、NEDOでは、今後は、「ノーマリーオフコンピューティング基盤技術開発」プロジェクトの最終年度(平成27年度)に向けて、目標である消費電力を従来比1/10とする研究開発を確実に進めて、広く応用への展開を図っていく。

【参考】
NEDO - 消費電力世界最小のウェアラブル生体センサ技術を開発

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