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VOC回収装置の車両搭載義務で大気汚染を防げ 首都圏の自治体が国に要請

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九都県市首脳会議は、VOCの一種である「ガソリンベーパー」の放出抑制対策として、ガソリンベーパーを回収し燃料として再利用できる大型回収装置の自動車への搭載を義務化することを国に対し要請した。

本要請では、欧米と同様に、国内でも早期に本装置の装着車(ORVR車)を義務付けるために、道路運送車両法に基づく保安基準など法令の改正を実施を求めている。要請の概要は以下の通り。

「ガソリンベーパー対策の推進について」を求めた要請の概要

中国での深刻な大気汚染発生の報道等を契機に、健康影響のおそれがあるとされるPM2.5(微小粒子状物質)への国民の関心が高まっている。PM2.5の主要な原因物質は、NOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)、VOC(揮発性有機化合物)、PM(粒子状物質)の4つである。また、健康被害が届出されている光化学オキシダントの原因物質はNOx、VOCであり共通している。

このうち、NOx、SOx、PMについては、自動車排ガス規制等により、大幅な低減が図られているが、平成24年度の全国の環境基準達成率はPM2.5が40.5%、光化学オキシダントが0.3%と極めて低く厳しい状況となっている。

このような状況の中、既存の対策だけでは、更なる改善が見込めないことから、新たな対策として、VOCの一種であるガソリンベーパー(ガソリンが蒸発して気化した蒸気)の発生抑制が必要である。

ガソリンベーパーは、自動車の給油時のほか、走行時や駐車時にも大気に放出されており、日本では平成14年に国の中央環境審議会でこの問題について「早期に結論を出すことが適当」とされたが、現在、法律による規制は行われていない。

一方、欧米では、このガソリンベーパーの大気への放出について既に規制による抑制がされている。この放出抑制対策の中でも、給油時、走行時、駐車時のあらゆる場面でガソリンベーパーを回収し、車の燃料として再利用できる大型回収装置を装着した車(ORVR車、Onboard Refueling Vapor Recovery、車搭載型燃料供給時蒸気回収装置)の導入が効果的である。実際、米国では規制により、大型回収装置の装着が義務付けられているため、ORVR車しか走行できない。また、米国向けの輸出車は国内でも生産されているが、これらはORVR車であり、技術的には直ちに対応可能であるし、国内でも早期に義務付け(ORVR車の早期義務付け)をするため、法整備を求めた。


「九都県市首脳会議」は、埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の知事、横浜市・川崎市・千葉市・さいたま市・相模原市の市長で構成される組織。首都圏における広域的な諸課題の解決に向けて、協調した取組みを進めている。

今回の要請は、12日に開催された第66回九都県市首脳会議での合意に基づき、黒岩神奈川県知事が九都県市を代表して、13日に、望月義夫環境大臣に行った。

【参考】
東京都 - 九都県市首脳会議「ガソリンベーパー対策の推進について」に係る要請の実施について

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