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トルコは再エネだけで電力足りる しかも石炭戦略と同コストとの調査結果

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ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)は、トルコでは再生可能エネルギーを優遇することで、必要な電力を確保しながら、二酸化炭素排出量(CO2)と商品価格への影響を限定することが可能だとする調査リポートを発表した。日本ともつながりの多いトルコでの現在と将来を見通すものとなっている。

「変化するトルコの電力市場」と題された本レポートは、欧州気候基金が資金を提供し、WWFトルコからの依頼によって作成されたもの。トルコ政府の掲げている公式のエネルギー政策について詳細に検討し、具体的なアプローチ方法や各シナリオでの将来像・エネルギーミックスについて、調査分析した結果をまとめている。また、本調査では、トルコにとって「持続可能でクリーンな発電用エネルギー構成は可能か?」、「そのようなシナリオのコストはどの程度か?」を明らかにすることも目的とした。

この調査結果によると、トルコ政府は、成長する経済の需要を満たすように電力供給を拡大し、かつ輸入天然ガスへの依存を減らすという目標を、公式に発表されている石炭依存の戦略に頼らずに実現できる。

トルコが風力太陽光、水力発電などの再生可能エネルギーによる発電容量を導入する代替手法は、石炭中心の戦略と同等のコストで実現でき、CO2排出と大気汚染によるトルコの環境への悪影響と、輸入化石燃料への依存をともに減らすことができる。

具体的には、現在から2030年までのトルコの電力需要の増加に対応する発電設備の建設と運用にかかる費用は、国内の褐炭資源と無煙炭の組み合わせによる方法でも、各種のクリーンエネルギー技術への投資による方法でも、ほぼ同等(約4000億ドル)となる。後者の方法は、今後15年間に予想されている、太陽光発電と風力発電のメガワット時当りの平準化電気コストの大幅な低下によるメリットを受けると仮定している。

トルコ政府の公式計画では、現在から2030年までの間に、経済成長に伴って電力需要は年率5%以上の増加を示すと仮定している。この計画ではまた、ガス火力発電が大幅に減少し、石炭火力発電が急速に増加し、トルコの電力部門のCO2排出量が約2倍になると予想している。

この53ページのリポートでは、この未来予測と、他の2つのシナリオを比較している。どちらのシナリオも、政府の予測よりもトルコの将来の電力需要を控えめに見積もっている。トルコが他の西欧諸国と同様の軌跡をたどるとすれば、経済構成の変化とエネルギー効率化の進展により、2030年までに電力需要は公式の予想を約25%下回ると見られる。

2つのシナリオの1つ目は「従来通りのビジネス」(BAU)と呼ばれるもので、現在の政策下でのリポートの将来予測を示す。これは、2023年までに20GWの風力発電容量と10GWの原子力発電容量を建設するという政府の目標に関して、公式計画よりも悲観的である。このため、2030年のトルコの全発電量の61%を化石燃料が占めると予想している。

2つ目のシナリオは「再生可能エネルギー開発の道」(RDP)と呼ばれるもので、水力発電を含む再生可能エネルギーの全発電量に占める割合が2013年の29%から2030年に47%に増加し、ガス火力の割合は40%以上から26%に、石炭火力の割合は27%から18%に減少するとしている。CO2排出量はその後も数年間は少しずつ増え続けるが、急激に増加することはなく、やがて安定化する。

WWFトルコCEOのTolga Baştak氏は、「トルコが、増加する電力需要を満たすために、クリーンエネルギーの持続可能な使用を選ばない正当な理由は何もない」「出発点として、トルコは再生可能エネルギーの目標を2030年までに50%に引き上げるべきだ。われわれはその他の政策提言に関する詳細な報告をまとめた。これがトルコの長期的なエネルギー戦略に好ましい影響を与えることを祈っている」と述べている。

BNEFのアナリストのJanis Hoberg氏は、「トルコの電力市場は、CO2を大量に排出するエネルギーシステムに縛り付けられるか、初期コストは高いが長期的には燃料コストの大幅な節約になる再生可能エネルギー開発の道に進むかの分岐点にいる。

後者の道を選ぶ場合は、風力発電と太陽光発電の増加によって生じる供給の変動に備えるため、エネルギー効率性と送電網への追加の投資が必要となるだろう」と述べ、欧州気候基金の国際エネルギープロジェクトのディレクターであるMatt Phillips氏は「この調査は、トルコにとってクリーン電力への道が非常に魅力的で、達成可能で、かつ低コストであることを証明している」と語っている。

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