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畜産廃水から発電+リン回収に成功! 微生物燃料電池

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畜産廃水から発電+リン回収に成功! 微生物燃料電池

岐阜大学の研究グループは、「微生物燃料電池」により豚の糞尿などを含む畜産廃水からリンを回収することに成功したと発表した。

微生物燃料電池は、微生物が有機物を分解する時に出る電子で発電する電池。廃水処理に適用した場合、廃水中から有機物を除去すると同時に電気エネルギーを回収できる。同研究チームは、この発電と同時に電極にリンを付着させて回収することもできることを世界で初めて突き止めた。

微生物燃料電池を利用した廃水処理システムが実用化すれば、発電を行いながら廃水を処理できるため、従来の方法に比べ省エネとなる。さらに技術が発展すれば、処理にかかる以上のエネルギーを回収することも期待できる。また、発電に伴う化学反応を利用してリンの回収もできる。

微生物燃料電池を活用した廃水処理の省エネ化については、10~20年後の実用化に向けて研究を進めていく。ただし、実用化にまでは「大規模化」と「コスト」という2つの課題がある。現在の微生物燃料電池は実験室レベルの小さなサイズが主流となっており、世界最大サイズのものでも一般家庭の浄水漕にも満たない。規模を大きくするためにはコストもかかるため、今後は実用化に向けてより大規模な発電施設を構成するためにコスト問題も含め解決を目指していく。

リンは多くの廃水に大量に含まれており、処理されずに環境中に排出された場合、水域の富栄養化の原因となるため、廃水から除去することの重要性が従来から認識されてきた。一方で、リンは細胞の主要構成要素であり、全ての生物の生存にとって必須。農業分野では化学肥料の主要成分として利用されており、金属加工や食品添加物等幅広い分野でも利用されている。

数年前まで経済的に採掘可能なリン鉱石は地球上から数十年程度で枯渇することが懸念されていたが、近年の調査によりリン鉱石が新たに発見され、当面は枯渇の心配をする必要がなくなったとされている。しかし、いつかは枯渇する資源であることに変わりない。また、日本はほぼ全量を輸入に頼っており、必要量の安定確保や価格交渉力の確保のため、リンのリサイクルを行っていくことは重要とされる。

微生物燃料電池に関する従来の実験では、人工的に作った廃水が多く使われていた。しかし、同研究チームでは実際の養豚廃水を用いて実験を行っていたため、廃水からリンを回収しやすい条件がそろっており、今回の発見に至った。

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