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第四次環境基本計画、おおむね順調 民生部門の省エネ強化が必要など課題も

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第四次環境基本計画、おおむね順調 民生部門の省エネ強化が必要など課題も

環境省は、第四次環境基本計画の第2回点検の結果を発表した。この中でおおむね取り組みが進捗していることが確認された一方、各分野における課題を解決するため、関係者が実施する今後の取り組みの改善のあり方について指摘があった。

環境基本計画は政府の環境施策の大綱を定めたもので、政府が一体となって進める施策とともに、地方公共団体、国民など多様な主体に期待する役割についても示している。第四次環境基本計画は平成24年4月27日に閣議決定されたもの。

第四次計画において2回目となる今回の点検では、計画で記載された9つの重点分野から重要的に点検を行う分野として「経済・社会のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進」「国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進」「持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり、基盤整備の推進」「地球温暖化に関する取組」「生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組」「物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組」「包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組」の7つの重点分野と「放射性物質による環境汚染からの回復等」を中心に調査、審議が行われた。

各分野の今後の課題や取り組みは以下の通り。

経済・社会のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進

  • 経済・社会のグリーン化に向けて、多くの企業が「カーボン・オフセットの推進」や「CO2の見える化」等の取り組みを行うよう、官民一体となって制度づくり・必要な支援を進めるべきである。
  • わが国全体の自動車や住宅等への税制優遇措置や補助制度等の実施状況や効果を俯瞰した上で、関係者が連携しつつ、これらの充実を図ることにより、各経済主体が環境に配慮して商品の製造及び選択等を行うための経済的インセンティブの付与を含む環境配慮行動促進のための取り組みを効果的かつ効率的に推進すべきである。
各種環境ラベルの認知度

各種環境ラベルの認知度

国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進

  • 「グリーン経済」を念頭においた国際協力及び重点地域における取り組みとして、特にアジアやアフリカ諸国について、地理的、経済的、人的交流関係等を考慮し、重点的に連携すべき相手国を選定して協力を進めるべきである。

持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり、基盤整備の推進

  • 持続可能な社会の基盤となる国土の管理のためには、土地所有者等や行政のみならず、企業、NPO等の多様な主体が、自然や人工資本を含めた国土の有する防災、環境保全機能や社会的、経済的価値を保全し、高めるとともに、将来世代に継承していくための公的な活動に取り組むことを促進する必要がある。
  • 事業者の事業活動は、国土というインフラや自然環境の恵みの上に成り立っていることに鑑み、事業者は、持続可能な事業活動という観点から、自然環境の保全とその利用を継続的なものとするために、これを事業活動の一環として位置付け、取り組んでいくことが重要。

地球温暖化に関する取組

  • 京都議定書第一約束期間において、特に民生部門からの排出量が増加したことに留意し、取り組みを強化する必要がある。
  • 省エネ性能の高い設備・機器の導入や、住宅・建築物の省エネ性能の向上に加え、地区・街区単位等での面的なエネルギー利用を促進することが重要であり、地方公共団体、事業者及び国民の連携の下での取組が必要。
  • 国際経済において、低炭素化の取組の有無がビジネス上のチャンスにもリスクにもなりつつあることに鑑み、企業活動に環境配慮を組み込もうとする経済主体を金融面で評価・支援するなど、経済・社会のグリーン化を推進することが重要。
世界のエネルギー起源CO2排出量グラフ

世界のエネルギー起源CO2排出量グラフ

生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組

  • 生物多様性の社会への浸透を図り、主流化を進めるためには、生物多様性および生態系サービスの価値評価に向けた検討を進めるとともに、生物多様性に配慮した事業活動の推進に向けた取組や経済的手法も含めた推進方策について検討を進める必要がある。また、広報・教育・普及啓発や生物多様性に配慮した製品などの普及等を進めることも重要。
  • 事業者には、事業活動が生態系サービスに支えられており、生物多様性の損失が企業の安定した経営を脅かす問題であると認識してもらうとともに、生物多様性保全が新たな価値として経済活動につながるよう、民間参画の促進に向けた取り組みを進め、各種のメディアとも連携・協力したより魅力的かつ効果的な方法での情報発信に努めていく必要がある。また、自然資本会計に関する国内外の事例を踏まえ、わが国においても自然資本の価値を事業者の意思決定に反映させるための取組を進めていく必要がある。

物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組

  • 社会的費用の減少や環境負荷低減の観点から合理的に行われる水平リサイクル等の高度なリサイクルの推進については、例えばペットボトルの水平リサイクルのように一定の高い技術水準に達しているものは、リサイクルの裾野を拡げるため、再生製品の品質やコスト、回収に係る取組、関係者間の連携等、関係法令の整備を通じた事業環境づくりが必要。
  • バイオマス系循環資源の利活用については、「バイオマス・ニッポン総合戦略」を皮切りに、バイオマス産業都市構想等により一定の進捗が認められる。引き続き、地域循環圏構築に向けて、バイオマス系循環資源等の飼料化・肥料化、エネルギー源等としての利用やバイオマス系循環資源の利活用に資する技術の研究開発を進めることが必要。

包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組

  • 化学物質によるリスク対策を関係主体間の緊密な連携の下、有機的に連携させつつ効果的かつ包括的に推進することが重要。また、化学物質の製造から廃棄に至るライフサイクル全体を通じた環境リスクを一層低減する観点から、使用から廃棄に至る継ぎ目のない化学物質の管理を目指すと共に、化学物質と環境に関する政策対話等の場を活用し、関係する各主体の取組との連携の更なる向上を図るべき。さらに、水銀のライフサイクル全体に係る対策を定めた水銀に関する水俣条約について、国内での取組を着実に推進することが求められている。

放射性物質による環境汚染からの回復等

  • 国、地方公共団体等は、法に基づく計画策定や、汚染廃棄物の処理、除染等の措置等を実施していく必要があるとし、放射線による人の健康へのリスクの管理及び野生動植物への影響の把握、その他放射性物質による環境汚染防止のための取り組みの実施に務める。

【参考】
環境省 - 第四次環境基本計画の進捗状況の第2回点検結果について

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