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2015年度の買取価格、太陽光以外は「供給量勘案上乗せ措置」で維持か

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2015年度の買取価格、太陽光以外は「供給量勘案上乗せ措置」で維持か

経済産業省は、28日、固定買取価格制度(FIT)における2015年度の買取価格について検討する調達価格等算定委員会の第17回委員会を開催した。本会合では、前回の委員会で各委員より指摘があった、「3年間の利潤配慮期間終了後の扱い」や「太陽光等で出力制御を行うために必要となる遠隔出力制御システム等への対応」など、買取価格を算定するにあたって前提となる事項について審議した。

また、小規模木質バイオマス発電の推進について検討し、農林水産省から、離島や山脈に囲まれている地域等の条件不利地で、小規模木質バイオマス発電へのニーズが高まっていること等が資料で提示された。

買取価格を算定する要件として、各委員からの指摘を踏まえて検討した事項の概要は以下の通り。

利潤配慮期間終了後の扱い

調達価格(買取価格)を定めるに当たっては、集中的に再生可能エネルギー電気の利用の拡大を図るため、この法律の施行の日から起算して3年間、特定供給者が受けるべき利潤に特に配慮することとされている。このいわゆる「プレミアム期間」については予定通り、本年7月以降、「適正な利潤」として上乗せされた1~2%分を廃止する。

他方、調達価格の算定に当たっては、「我が国における再生可能エネルギー電気の供給の量の状況」を勘案することとされている。太陽光以外の電源については供給の量が順調に伸びてきたとはいえないが、太陽光については、10kW以上を中心に順調に伸びてきている。これを踏まえて、利潤配慮期間終了後の扱いとして、太陽光以外の電源について、調達価格の判断において、費用および利潤とともに、いわば「供給量勘案上乗せ措置」を導入する案が示された。「供給量勘案上乗せ措置」の大きさについては、調達価格の安定性、事業者の予見可能性に配慮し、これまで上乗せされてきたIRR1~2%分に相当する分とする。

接続保留問題への対応

今般の接続保留問題を機に、再生可能エネルギーの接続可能量を増加させるために、出力制御について新たなルールを導入することとした。現時点で調達期間を通じての出力制御を受ける時間を予測するのは難しく、実際に出力制御がかからなかった場合、調達価格に出力制御期間を盛り込むと、過剰な事業者利益を発生させてしまうおそれがあることを考慮する必要がある。

他方、出力制御を行うために必要な機器等(遠隔出力制御システム等)については、義務付けの対象の事業者については、既存の設備と比較して追加的な費用負担となるものと考えられることから、調達価格に盛り込むことが考えられる。

認定年度の調達価格での規模別の利潤水準

中規模(10-500kW未満)太陽光について、十分な利益水準が確保されているかをみるため、運転開始設備のIRR水準について確認した。その結果、現状の調達区分(10kW以上)で想定しているIRR水準6%を下回っている件数比率は、10-50kW未満の区分で33%、50-500kW未満の区分で10%であった。

これを踏まえて、1,000kW以上の設備を念頭に算定した調達価格が、中規模太陽光においては事業採算性に合わないものとは言いきれないとの意見が示された。

パネル対パワーコンディショナーの容量の比率

FIT開始前は、パネルとパワーコンディショナーは同じ容量であることが多かったが、制度開始後、容量当たりの発電量を最大化するため、パワーコンディショナーの容量よりも大きい容量のパネルを設置する事例が増加している。確認したところ、パワーコンディショナーよりも大きな容量のパネルを設置することにより、(1)パネルの費用の増加と、(2)発電量の増加がみられた。

これまで、買取価格の算定に当たっては、認定容量(通常パワーコンディショナー容量)当たりのシステム費用を採用している。この費用は、パネル容量で補正したシステム費用より高くなっている一方で、発電量の増加により、売電量は増加することになるため、設備利用率の上昇分(13%→14%)については、買取価格の算定の根拠に盛り込むべきでは、との意見が示された。

効率的に事業を行う者の費用水準

効率的に事業を行う者のシステム費用の構造を確認するため、1,000kW以上の案件についてシステム費用が低い方から25%毎に分析を行ったところ、上から50%(中央値)では、29.0万円/kWに対し、上から25%では、25.7万円/kWとなった。

事業者特性をみると、上から0~25%、26~50%では中小事業者が多いが、51~75%、76~100%では上位区分と比較して大手事業者が多い。また、地方自治体と事業者との官民連携案件は、上から51~100%に入っており、地域における公共的な取組は、他の通常の案件よりも結果的に費用を要していると考えられる。

パネルの国内・海外比率をみると、上位の案件ほど海外メーカー・海外製を使用している傾向がある。足下では、円高の影響が大きく、むしろ海外製パネルの価格は上昇圧力がかかっている。

こうした特性や足下の動向を踏まえ、これまで調達価格の算定に当たって採用していた平均値や中央値を、より効率的に事業を行う者の費用水準に変更することについて、どのように考えるべきとの意見が出された。

【参考】
経済産業省 - 調達価格等算定委員会(第17回)― 配布資料

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