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2020年のHCFC全廃、日本製エアコンは売れるか? 空調・温水機器の市場予測

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富士経済は、先進国で2020年にHCFCが全廃となる冷媒/省エネ規制の対応により、日系メーカーの存在感が高まっているヒートポンプ技術を活用した関連機器など、エアコンや住宅向け給湯器など空調機器・温水機器の世界市場について調査した結果を発表した。

2014年見込 2013年比 2020年予測 2013年比
住宅 5兆2,899億円 100.0% 6兆2,020億円 117.2%
業務・産業 5兆5,362億円 102.4% 6兆1,303億円 113.4%
その他 2兆9,327億円 106.2% 3兆8,637億円 139.9%
合計 13兆7,589億円 102.2% 16兆1,959億円 120.3%

エアコンの世界市場において、環境負荷の少ない新冷媒R32(HFC)を採用したエアコンの台数は、2014年の300万台(見込み)に対して、2020年には5,830万台に増加する見通し。また、カーエアコンの世界市場では、環境負荷の少ない新冷媒R1234yf(HFO)を採用するカーエアコンの台数は、2014年の210万台(見込み)に対して、2020年には2,221万台に増加する見通し。

また、レポートでは注目市場として、「冷凍・冷蔵ショーケース」と「チリングユニット」をあげる。冷凍・冷蔵ショーケースの世界市場は、2020年に1兆1,920億円(2013年比64%増)になると予測する。日本では、新規出店が増加しているコンビニエンスストア(CVS)や都心のミニスーパー需要が落ち着く2015年以降は縮小するとみられる。しかし、2020年には規制を受けたR22冷媒機種に対する更新需要の顕在化により、市場が拡大する可能性がある。

チリングユニットの世界市場は、2020年に4,752億円(2013年比18.8%増)となると予想する。空冷式モジュールチラーは日本メーカーの国内展開が進んでおり、将来的には世界市場においても水冷式や小型のチラーからのシフトが期待される。

空調機器・温水機器17品目を対象とした世界市場は、2014年は13兆7,589億円(2013年比102.2%)の見込みで、2020年には16兆1,959億円(2013年比20.3%増)に増加する見通し。住宅分野では、欧州は成熟しているものの、中国は今後も成長が期待される。業務・産業分野では、北米が市場をけん引している。

日本においては、さらなる省エネ高効率機器として、排熱回収ヒートポンプ、蒸気発生ヒートポンプ、バイナリー発電などの次世代ヒートポンプ関連機器の開発が進んでいる。イニシャルコスト、エンジニア力、耐久性、効率、設置性などの課題はあるが、いち早く日本で市場が形成され世界市場をけん引すると期待される。

その他、冷媒に着目した調査結果の概要等は以下の通り。

冷媒の動向

ヒートポンプサイクルの中で熱移動(温度変化)を媒介する冷媒の動向が注目されている。フロン系冷媒は、モントリオール議定書発効以降、オゾン破壊係数による規制が設定され、CFC(クロロフルオロカーボン:R12など)からHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン:R22など)、そしてHFC(ハイドロフルオロカーボン:R32、R410Aなど)へと変遷してきた。CFCは全廃され、HCFCは先進国で2020年に、途上国は2030年に全廃となる。

また、京都議定書により、地球温暖化係数(GWP)による規制が始まっており、HFCが削減対象(温室効果ガス)に指定され、HCFCやHFCからGWP値の低い、新冷媒への移行が検討されている。今後は新冷媒として、HFO(ハイドロフルオロオレフィン:R1234yfなど)、自然冷媒(CO2など)が期待される。

R410A、R32採用のエアコン市場

※ルームエアコン、マルチ式エアコン、ガスエンジン・ヒートポンプエアコンを対象

エアコンは、低GWP対応に合わせて日系メーカーがR32の提案を進めており、微燃性に対する許可が出た国から採用が進むとみられる。中国政府の動向次第で大きくトレンドが変わる可能性もあるが、主に中国の一部が提案するプロパン冷媒は安全性の面で不安が残るため、R32の使用が増加するとみられる。一方、R410Aを採用するエアコンの台数は、2014年は5,848万台の見込みであるが、2020年には4,291万台に減少すると予測される。

R1234yf採用のカーエアコン市場

※カーエアコン、電動自動車用カーエアコンを対象

欧州のカーエアコン冷媒規制により、2011年以降に欧州市場へ投入する新型車(継続モデルは除く)、2017年以降は全ての新車へGWP150未満の規制が導入される。それにより、欧州を中心に低GWPのR1234yfへの置き換えが進み、以降米国、日本へも広がると予想される。他新興国の一部ではR21などのフロン系冷媒が使用されているが、随時切り替えが進むとみられる。


本調査は、2014年10~11月に実施。富士経済専門調査員による参入企業及び関連企業・団体などへのヒアリング及び関連文献調査、社内データベースを併用して行った。

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