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「人工光合成」による太陽光からの水素製造 エネルギー変換効率2%達成

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「人工光合成」による太陽光からの水素製造 エネルギー変換効率2%達成

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)は、太陽エネルギーを利用した光触媒による水からの水素製造(人工光合成の一種)で世界最高レベルの太陽エネルギー変換効率2%を達成した。

今回、可視光領域の光を吸収する水素および酸素発生用光触媒の中で組み合わせの最適化を図り、シート状に成形した光触媒を用いて、性能評価のためにパラレルセルを作成し、太陽エネルギー変換効率を測定。その結果、太陽エネルギー変換効率の最高値2.2%、1時間平均値で1.95%を達成した。この値は現段階で世界最高レベル。さらに、将来の実用化を想定して、水素および酸素発生用光触媒を同じ基板上に成形した混合型光触媒シートも開発し、水素と酸素の発生を確認した。

今後、開発した材料を含めた様々な光触媒材料系を対象に、材料の組成の最適化、低欠陥な結晶が得られる合成方法の開発および化学反応を活性化する材料表面の最適化などを進めることにより、2021年度末までに太陽エネルギー変換効率10%の達成を目指す。さらに、光触媒を組み込んだ水素/酸素製造用の光触媒モジュールの開発を進め、プロジェクト全体として、同時に開発している分離膜技術および合成触媒技術を組み合わせることにより、新規な基幹化学品製造基盤技術を確立する。

人工光合成による水素の製造は、現状の天然ガスやナフサといった化石資源を原料とする水素製造や、太陽電池などを用いた水の電気分解による水素製造に次ぐ、次世代の水素製造技術と位置付けられる。今回の成果を踏まえて競争力のある基盤技術とするべく、研究開発を進め、将来的には、オレフィン原料の化石資源依存を低減するとともに、CO2固定化による地球温暖化防止への寄与も期待される。

日本の化学産業は、基幹化学品から機能性化学品まで様々な高い国際競争力を誇る製品を多数生み出す一方、製造原料として化石資源を大量に消費し、CO2排出量も日本の製造業中、鉄鋼業に次ぎ約16%を占めている。持続可能な低炭素社会を実現していくためには、太陽エネルギーなどの再生可能エネルギーを活用し、化石資源に頼らない革新的な化学品の製造技術が必要となる。

そこでNEDOとARPChemは、「二酸化炭素原料化基幹化学品製造プロセス技術開発(人工光合成プロジェクト)」において、人工光合成の一種である太陽エネルギーを利用した光触媒による水分解で製造した水素とCO2を原料とした基幹化学品の製造プロセスの基盤技術開発に取り組んでいる。

同プロジェクトは、以下3つの研究開発テーマで構成され、CO2排出量の削減に貢献可能な革新的技術開発の一つとして、中長期的に推進すべきものと位置付けられている。

本事業の概要

本事業の概要

  1. 光触媒開発/太陽エネルギーを利用した水分解で水素と酸素を製造する光触媒材料およびモジュールの開発
  2. 分離膜開発/同時に発生する水素と酸素を分ける分離膜およびモジュールの開発
  3. 合成触媒開発/水から製造する水素と発電所や工場などから排出するCO2を原料として、C2~C4オレフィンなどの基幹化学品を合成する触媒およびプロセス技術の開発

光触媒は、太陽エネルギーを化学エネルギーに変換する固体物質。従来の光触媒材料ではその吸収波長が主として紫外光領域に限られるものが多く、太陽エネルギー変換効率の向上のためには可視光から赤外光領域にかけての光を利用できるように、光触媒の吸収波長を長波長化することが課題の一つだった。このため従来よりも長波長の光を吸収する光触媒材料を探索すると同時に、光触媒による水分解において水素の発生と酸素の発生を担う光触媒材料を分けることで、材料選択の幅を広げてきた。

【参考】
NEDO - 人工光合成の水素製造で世界最高レベルのエネルギー変換効率2%を達成

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