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家畜排泄物の再利用を促進する方針策定 設備投資や堆肥の情報基盤整備など

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農林水産省は、「家畜排せつ物の利用の促進を図るための基本方針」ほか4つの基本方針を策定した。公表(官報掲載)については、4月内を予定している。

「家畜排せつ物の利用の促進を図るための基本方針」は、「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律(平成11年法律第112号)」第7条に基づき、家畜排せつ物の利用の促進のため、処理高度化施設の整備等の方向を示すもの。

近年の水田農業政策の見直し、飼料価格の上昇などを背景に、飼料用米等の自給飼料の生産・利用を拡大することの重要性が増している。さらに、畜産農家が大規模化する中で、行政による環境規制の強化、混住化の進展により、周辺住民からの苦情が深刻化し、臭気の低減対策や汚水の浄化処理対策の強化も課題となっている。これらの課題の解決が畜産経営の継続のためにも必要不可欠な状況だ。

また、家畜排せつ物を活用したエネルギー利用については、固定価格買取制度(FIT)が平成24年度から開始され、特に畜産業の盛んな地域において利用が増えていることから、今後、更なる導入が期待されている。

今回の方針で示された、これからの具体的な施策は、以下の通り。

家畜排せつ物の堆肥化

家畜排せつ物の堆肥利用拡大のため、堆肥化施設の整備と堆肥成分分析装置、取扱性や流通のしやすさの向上に資する成形圧縮機・袋詰め装置、散布作業の効率化につながるマニュアスプレッダー等の機械の導入を推進する。そしてそこで作られた堆肥は、可能な限り肥料や土壌改良資材として耕地に還元することを推進する。

また、それ以上の堆肥については、堆肥を生産する畜産農家等は、堆肥利用者のニーズに応えるため、堆肥の成分分析・ペレット化・袋詰め等により取扱性・運搬のしやすさ等を高めるよう推奨する。

さらに、堆肥を多く生産できる地域と、堆肥をより必要とする地域を結ぶ情報(畜種別の供給可能量、使用した副資材の種類、主要な成分含有量、価格、運搬・散布方法、品質、必要量)を広域的に収集・提供することにより、広域流通の円滑化を図る。

これにより地域における堆肥の利用拡大や地方自治体、生産者団体その他の関係者が、畜産クラスターの仕組み等も活用しつつ、利用の広域化を推進する。

家畜排せつ物のエネルギー利用

家畜排せつ物を活用した電気、熱等のエネルギー利用を推進することにより、畜産農家等の光熱費の低減や売電収入の増加による収益の改善を図っていく。メタン発酵施設、炭化・焼却施設等の整備は、中期的な経営収支や原材料の確保の見通し、電力系統への接続状況等を考慮して進める。

なお、家畜排せつ物のエネルギー利用には、地域によって、接続地点付近の電力系統の容量不足等の課題が残るものの、平成26年度におけるFITの運用の見直しにより、家畜排せつ物を利用する発電設備は、緊急時を除き、原則として出力制御の対象とされず、電力系統に接続できることとなり、FITを活用した家畜排せつ物のエネルギー利用は円滑に進むと見込まれる。

畜産環境問題への対応

臭気対策および汚水対策などの畜産環境問題への対応については、臭気や水質に係る環境規制の強化、混住化の進展等による周辺住民の苦情の深刻化に対応するため、処理高度化施設を専門家の助言を参考にしつつ整備することが重要である。

家畜排せつ物の堆肥やエネルギーとしての利用を進める際には、新たな脱臭装置等の機械や施設を整備し、有効な処理技術を導入することにより、臭気対策および汚水対策の強化を図る。臭気が発生する堆肥舎、畜舎等の場所ごとに、効果的な臭気の低減対策や脱臭装置(密閉型畜舎であればバイオフィルター、光触媒脱臭装置等)の整備を検討する。

これには、施設・機械の整備に国の補助事業や融資制度を効果的に活用するほか、地方自治体および生産者団体の支援も必要となることもあるため、地方自治体、生産者団体その他の関係者が、畜産クラスターの仕組み等も活用しつつ、地域全体で検討することが望ましい。

また、汚水対策としては、活性汚泥浄化処理、膜処理等を行う汚水処理施設の整備およびその適切な管理を検討する。現在、畜産業から発生する汚水には硝酸性窒素等に係る暫定排水基準(700mg/L)が適用されているが将来的には一般排水基準(100mg/L)が適用される可能性も念頭に置いて対応する。

【参考】
農林水産省 - 「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」、「養豚農業の振興に関する基本方針」、「家畜改良増殖目標」、「鶏の改良増殖目標」及び「家畜排せつ物の利用の促進を図るための基本方針」の策定について

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