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太陽光発電、拡大の鍵は「自家消費できるスマートコミュニティ」か 政府が検討

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太陽光発電、拡大の鍵は「自家消費できるスマートコミュニティ」か 政府が検討

経済産業省は14日、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた施策の在り方について検討を行っている新エネルギー小委員会(第11回)を開催した。

今回の委員会では、「更なる再生可能エネルギーの導入拡大に向けた政策の方向性」と「再生可能エネルギー導入拡大に向けた広域的な系統システム・ルールの構築」について、議論した。それぞれ経済産業省より資料が提示された。

太陽光発電の導入量は約20GWに到達(年間約8GW程度)。導入量の拡大とともに、一旦導入された太陽光発電設備について、メンテナンス体制の構築等、可能な限り長期安定的に発電するエネルギーインフラとして活用するための方策を講ずることが必要だとしている。

また、その際、全量売電よりもむしろ、需要地に近接して導入される自家消費をより進めていくことで、賦課金や系統への負担を軽減しつつ、太陽光の導入を進めていくことができると指摘する。

ひとつの方向性として、固定価格買取制度の動向も見すえたスマートコミュニティの構築をあげた。系統制約が顕在化する中で、更なる再エネの導入拡大を推進するため、エネルギーマネジメントシステムを介して、需要家側に点在する、再生可能エネルギーを含む創エネルギー機器、蓄エネルギー機器、省エネルギー機器の統合制御を行うスマートコミュニティの取組みを推進すべきだとしている。

また、ZEB/ZEH(ゼロ・エネルギー・ビル/ゼロ・エネルギー・ハウス)の推進に加え、将来的な可能性として余剰電力の水素への変換等の可能性も検討されている。これらの技術を組み合わせ発展させることで、大規模集中型と分散型エネルギーとが調和した強靱なシステムを実現し、更に将来的には地域によってはオフグリッド化したシステムを実現することもできるとしている。

資料の概要は以下のとおり。

更なる再エネの導入拡大に向けた政策の方向性について

論点として、「再エネを長期安定で低コストな自立電源となるための基盤整備」「地域に根ざした再エネの導入」の2つの論点が示された。

再エネを長期安定で低コストな自立電源となるための基盤整備

再エネを自立電源となるための基盤を構築していくに当たり、電源毎の特性や導入経緯・実績を踏まえ、以下のように3つに分類して考え方を整理している。

1.自然変動電源であり、比較的最近に導入が拡大した電源:【太陽光・風力】

変動を受け容れる社会インフラの整備や、長期的に安定して発電を行う環境整備が重要。

「長期安定化」「出力管理の高度化・自立化」「低コスト化」を柱に方向性をまとめている。

  • 長期安定化:「確実なメンテナンスの実施」「適切な更新投資・リパワリングの推進」「買取期間終了後の事業継続に向けた環境整備」「適切な廃棄・処理に向けた検討の在り方」
  • 出力管理の高度化・自立化:「予測精度の高度化」「出力制度の高度化」「スマートコミュニティ」
  • 低コスト化

2.安定電源であり、比較的導入の歴史が長い電源:【地熱・中小水力】

既に長期安定発電が一定程度確立されているが、導入段階のリスクや費用負担が課題。

これらの電源は、開発制約がない又は小さい地点での開発が一定程度進んできたともいえ、更なる導入を拡大していく場合、大きなリスクと費用、長期間を要する開発初期の調査等に改めて取り組む必要があるとしている。

3.安定電源であるが、燃料を安定的に確保する必要がある電源:【バイオマス】

燃料供給体制が、長期的に安定して発電を行う上での最大の課題。

燃料となる木材を、安定的かつ継続的に調達することができる環境整備や、地域活性化に資する取組みを増やすための対応策等が課題となる。

地域に根ざした再生可能エネルギーの導入

再エネによる地域活性化の推進に必要となる、地域ぐるみの取組事例の横展開、支援策、人材育成の進め方をはじめ、「地域住民の理解醸成」「固定価格買取制度における国と地方の役割分担」をどのように考えるかが論点となった。

再エネ導入拡大に向けた広域的な系統利用システム・ルールの構築について

日本全体で再エネ電気の導入拡大を可能とするためには、電力会社単位ではなく、地域を超えた再生可能エネルギーのやりとりを可能にする広域的な系統利用システム・ルールの構築が必要となる。

このため、電力システム改革において進められている地域間連系線等の利用ルールの見直しや広域的な系統利用に伴う精算ルールの整備等により、他地域の調整力等を活用して、再エネ電気の出力制御の低減や広域的な視点での再エネ電気の出力の平滑化によって、再エネ電気の導入拡大を目指す。

再生可能エネルギーの導入拡大に向けた広域的な系統利用の方策として、A)特定供給者(再エネ)による連系線利用、B)小売電気事業者による連系線利用、C)一般送配電事業者による連系線利用(広域融通)のイメージが示された。

【参考】
経済産業省 - 総合資源エネルギー調査会 新エネルギー小委員会(第11回)

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