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石炭火力発電所での木質バイオマス混焼の持続可能性は? 5年間の報告書が発表

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新エネルギー導入促進協議会(NEPC)は、電源開発および九州電力がそれぞれ平成22年度より5年間実施してきた、国内の未利用森林資源(林地残材等)を利用した木質バイオマス混焼発電実証事業の平成26年度の実証運転報告を公表した。

本事業は、平成21年度林地残材バイオマス混焼発電実証事業(経済産業省の補助事業)において取り組んできたもの。木質バイオマスを石炭火力において混焼して活用するバイオマス石炭混焼システムの整備・実証を行い、その長期安定的な持続性(LCA等)等を検証することを目的としている。

年間を通じた安定的な混焼やCO2削減効果など、報告書の概要は以下のとおり。

電源開発「松浦火力発電所における林地残材バイオマス混焼発電実証事業」(長崎県松浦市)

事業概要(計画)

石炭を燃料とする松浦火力発電所(出力1,000MW×2基)において、運転混焼目標率を重量ベースで3%(最大目標混焼率:5%)として、混焼率を変化させて、環境・機器への影響を評価し、運転可能な混焼率での長期安定的な持続性を確認する。実証期間は平成23年2月~平成27年3月(全実証期間)。

燃料受払系統図

平成26年度の実証運転実績

平成26年度は、平成24年度までの石炭と木質ペレット燃料の混焼試験を経て、平成25年度より本運転を開始した実証運転を継続した。本運用では、混焼率設定(重量ベース)最大2%で運用安定性を確認した。混焼期間は平成26年4月~平成27年2月。木質ペレット燃料混焼量は約11,040トン。

年間を通じて安定的に混焼することができ、プラント運用性・環境特性については問題はなかった。

実証期間は終了したが、平成27年度以降も引き続き石炭と木質ペレット燃料の混焼利用を行い、未利用森林資源の有効活用を継続する予定。

九州電力「苓北発電所木質バイオマス石炭混焼発電実証事業」(熊本県天草郡苓北町)

事業概要(計画)

石炭を燃料とする苓北発電所(出力700MW×2基)において、林地残材等を利用した木質バイオマス混焼発電実証事業を平成22年~26年度にかけて実施した。本事業では、補助事業により新たに混焼用設備を設置した。木質バイオマスの混焼量は、石炭との重量比で1%程度(年間最大1.5万トン)を計画し、これにより、年間1万トン程度のCO2排出抑制につながると試算していた。

実証事業の設備概要

実証事業の設備概要

平成26年度の実証運転実績

平成26年度の実証運転実績による木質バイオマス使用量は1万5,082トン(石炭にすると約8,500トン)。重量ベースでの混焼率は、1号機が0.5%、2号機が0.4%となった。実証期間中に使用した木質バイオマスによる発電電力量は265,000MWhに相当した。

混焼によるユニットや木質バイオマス設備の運転は問題がなかった。また計画通りに木質バイオマスを調達することができた。

苓北発電所全景

苓北発電所全景

この実証運転の実績をもとにLCA評価を行ったところ、木質バイオマス混焼によるCO2削減効果は約1万9,877トンとなった。

【参考】
NEPC - 林地残材バイオマス混焼発電実証事業の平成26年度実証運転結果について

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