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新電力会社、1年間で206社→654社に うち「電力売ったことある企業」は71社

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新電力会社、1年間で206社→654社に うち「電力売ったことある企業」は71社

帝国データバンクは、第2回「新電力会社(特定規模電気事業者、PPS)」の実態調査を実施した結果を公表した。来年4月とされる電力小売りの全面自由化を見据えてPPS事業への新規参入を狙う企業が増えており、「PPS」への届け出件数が急増していることがわかった。

4月30日時点で経済産業省に届け出があるPPSは654社。昨年4月25日時点でPPSへの登録社数は206社で、その後の約1年間で3倍に急増している。一方、これら654社を年売上高別に見ると、設立から日が浅く営業実績がないケースや、事業実態が判然としない「売上高未詳」の企業が209社(構成比32.0%)あり、全体の3割強を占めた。

また2015年3月時点で、PPSとして電力販売実績がある企業は71社にとどまっており(資源エネルギー庁調べ)、届け出を行った企業の大半は登録したもののPPSとして稼動していないことが伺えた。

現行制度では、経済産業省にPPSの届け出をすることで、PPSとして参入できる。しかし電力小売り事業の全面自由化が施行されると同時に「PPS」への届け出制度が廃止され、「小売電気事業者」の登録がないと電力小売り事業へ参入できなくなる。

これまでは、簡単な届け出をすればPPSとしての資格を得られたが、今後「小売電気事業者」となるには、経済産業省に小売りの計画を提出し、電力の供給量の確保などの要件を満たした企業のみが登録可能なライセンス制が導入される見通しとなっており、新電力事業への参入障壁が高くなる。

本レポートでは、今後、2015年後半より「小売電気事業者」への事前登録が開始される見込みとなっており、「PPS」から「小売電気事業者」登録にシフトする流れが進むと予想する。このため、来年の電力小売り全面自由化の一方で、PPSとしてのライセンスを獲得できない企業の淘汰が始まる可能性があるとみている。

その他、調査結果概要

※対象は4月30日時点で経済産業省に届け出がある「PPS」(654社)

1.都道府県別~東京都が最多、2位は愛知県~

本社所在地を都道府県別に見ると、「東京都」(219社、構成比33.5%)が最多となった。2位は「愛知県」で44社(構成比6.7%)、3位は「大阪府」で41社(同6.3%)。全国的に参入が広がっており、PPSは「宮城県」「島根県」を除く45都道府県にある。

2.設立時期~2014年が58件、固定価格買取制度で参入増加~

設立時期が確認できた650社を見ると、2010年までに設立された企業が435社(構成比66.9%)となり、全体の6割強を占めた。東日本大震災を契機に、再生可能エネルギーの導入機運が高まり、新規参入が増加。2012年7月に施行された「固定価格買取制度」(FIT)によって太陽光発電事業の市場が拡大し、近年では2014年(58社、構成比8.9%)が最多となった。その後も、来年4月に控えた電力小売りの全面自由化に向けて参入企業が増加しており、2015年はすでに28社(同4.3%)設立されている。

3.業種別では「卸売業」が2割占める

卸・小売業界からの参入が多いことがわかる

卸・小売業界からの参入が多いことがわかる

業種別に見ると、「卸売業」(139社、構成比21.3%)がトップ。次いで、「建設業」(97社、同14.8%)、「小売業」(85社、同13.0%)となった。


4.年売上高別では10億円以上が4割占める

年売上高別に見ると、「1億円以上10億円未満」(141社、構成比21.6%)がトップとなった。次いで「10億円以上100億円未満」(139社、同21.3%)、「100億円以上1,000億円未満」(74社、同11.3%)が続いた。年売上高が10億円以上の企業は261社(同39.9%)となり、全体の約4割を占めている。

5.上場区分を見ると未上場企業が9割超

上場区分を見ると、未上場企業が610社(構成比93.3%)を数え、全体の9割を超えた。これに対し、上場企業は44社(同6.7%)となっている。

2015年の届け出状況(参考データ)

PPSに登録された企業は5月21日時点で663社。特に、3月の年度末に届け出た企業数は74件と急増したが、4月以降は1ケタ台で推移している。

主なPPS

JX日鉱日石エネルギー(東京都)/本田技研工業(東京都)/丸紅(東京都)/コスモ石油(東京都)/伊藤忠商事(東京都)/東燃ゼネラル石油(東京都)/三井物産(東京都)/昭和シェル石油(東京都)/パナソニック(大阪府)/シャープ(大阪府)

本調査について

帝国データバンクは、経済産業省・資源エネルギー庁管轄の「特定規模電気事業者」に登録の654社(4月30日現在)について、自社データベースである企業概要ファイル「COSMOS2」(146万社収録)などをもとに、都道府県別、設立時期、業種別、年売上高別、上場区分別に集計・分析した。同様の調査は2014年5月8日に続き2回目となる。

東日本大震災以降、再生可能エネルギーの注目度が高まり、「PPS」事業への新規参入が相次いでいる。特に、2012年7月にFITが開始され、全国的に太陽光発電>所が急拡大した背景がある。さらに、来年4月とされる電力小売りの全面自由化を見据えて新規参入を狙う企業が増えている。

【参考】
帝国データバンク - 駆け込み需要で登録社数が急増

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