> > 中小水力発電、既存設備を更新した場合の買取価格は? 資源エネ庁が発表

中小水力発電、既存設備を更新した場合の買取価格は? 資源エネ庁が発表

記事を保存

経済産業省資源エネルギー庁は、既設の中小水力発電設備を更新して新たに固定価格買取制度(FIT)の認定を受ける場合に、「新設区分」または「既設導水路活用型区分」のどちらの調達区分に該当するかについて、工事の内容や範囲の考え方を整理し発表した。

新設区分の基本的な考え方では、専ら発電の用に供し、発電設備と一体不可分な設備の大宗(大本)を占める部分を更新した場合、発電設備を実質的に全更新したものと見なせ、新設設備と同じ調達価格が適用されるとした。

既設導水路活用型区分の基本的な考え方では、既に設置している導水路を活用して、電気設備と水圧鉄管を更新するもので、鉄管自体を交換する場合と、防錆、防水等の観点から再塗装、一部部品交換等の補修によって行う場合の双方を認め、電気設備の更新に加え、水圧鉄管については補修に留める場合であっても、本区分の買取対象に含めるとした。

FITにおける中小水力発電に係る調達区分については、中小水力発電設備の新設や全設備の更新を主な対象とした調達区分(新設区分)および既設の中小水力発電設備について電気設備と水圧鉄管を更新する場合を対象とした既設導水路活用型の調達区分(既設導水路活用型区分)の2種に分けられている。

「新設区分」および「既設導水路活用型区分」の基本的な考え方については、『調達価格及び調達期間に関する意見(調達価格等算定委員会)』において示されているが、今回、FITにおける既設の中小水力発電設備の更新に係る認定の考え方について整理し、文書にとりまとめた。

資源エネルギー庁では、今後の設備認定の申請にあたっては、以下の考え方に基づき、更新工事の内容・範囲に応じ該当する区分への申請するよう依頼している。なお、中小水力発電の更新については、従来、同庁にて申請前の相談を受付いたが、以後、地方経済産業局にて対応する。

1.新設区分

基本的考え方(再掲)

専ら発電の用に供し、発電設備と一体不可分な設備の大宗を占める部分を更新した場合、発電設備を実質的に全更新したものと見なすことができ、新設設備と同じ調達価格が適用される。

  • 取水設備、導水路、沈砂池、水槽・ヘッドタンク、水圧鉄管、水車(入口弁を含む)、発電機、変電設備等その他電気設備、放水路等の発電設備について、撤去・更新、改修工事を行うものを認定の対象とする。
  • 工事を行う設備の範囲は、専ら発電の用に供する設備全てとする。

工事内容

ダム・堰等の取水設備/導水設備(導水路、沈砂池、水槽・ヘッドタンク等)および放水路等/導水設備および放水路等について、対象となるものを補足している。概要は「中小水力発電の更新に係る認定の考え方 一覧表」を、詳細については同庁の文書を参照のこと。

工事範囲

  • 導水設備および放水路等については、農業用水等、発電以外の用途の目的をもった設備であることが水利使用許可等によって認められる場合は、発電用水とその他の用途の用水との共用部分については、更新の対象に含まないことを認める(図1参照)。
  • 水車(入口弁を含む)、発電機、変電設備等その他電気設備および水圧鉄管については、発電を目的とした設備であることから、これら設備全ての更新を行うものを対象とする。水圧鉄管の分岐や発電所下流において、用水が農業用水、河川維持流量等の他の用途に利用されている場合であっても同様とする(図2参照)。
  • 他の用途の用水路等にバイパス水路等を設置し、発電設備が追加整備された発電所の更新については、追加的に整備された設備が他の用途の機能の一部を担う場合であっても、当該設備全ての更新(導水路については上記延長以上)を行うものを対象とする。
  • 多目的ダムによるダム(水路)式発電所やダムの維持流量を活用した発電所については、公的文書等によって多目的ダムであると認められる場合は、ダム設備(ダム内部の管路を含む)を更新の対象に含まないことを認める。

2.既設導水路活用型区分

基本的考え方(再掲)

  • 既に設置している導水路を活用して、電気設備と水圧鉄管を更新するもの。。
  • 鉄管自体を交換する場合と、防錆、防水等の観点から再塗装、一部部品交換等の補修によって行う場合の双方を認め、電気設備の更新に加え、水圧鉄管については補修に留める場合であっても、本区分の買取対象に含める。

以下に示す内容・範囲以上の工事を行うものを認定の対象とする。

  1. 電気設備について
    水車(入口弁含む)、発電機及び変電設備等その他電気設備全てを更新し、
    かつ、
  2. 水圧鉄管について
    (ア)水圧鉄管を断面全周に渡り、延長の一部又は全部を取り替えるもの
    若しくは
    (イ)水圧鉄管の全延長に渡り、内部又は外部(埋設部除く)の塗装を行うもの

補足

  • 水圧鉄管の取替について、発電所建物内の露出又は建物基礎内に埋設された入口弁(水車)との取付部近傍の水圧鉄管の交換についても対象とする。
  • 水圧鉄管の伸縮部のパッキンのみの交換は、水圧鉄管の補修とは認めない。
  • 塗装にあたっては、「水門鉄管技術基準 水圧鉄管・鉄鋼構造物編」によることを原則とする。
  • 水車(入口弁を含む)、発電機、変電設備等その他電気設備及び水圧鉄管については、発電を目的とした設備であることから、水圧鉄管の分岐や発電所下流において、用水が農業用水、河川維持流量等の他の用途に利用されている場合であっても、上記解説に従うものを対象とする。

中小水力発電の更新に係る認定の考え方 一覧表

中小水力発電の更新に係る認定の考え方 一覧表

※1 発電以外の用途にも利用されている設備部分については更新対象外。また、各導水設備の更新した箇所の延長の合計が、各調達区分に応じた以下の導水設備の一般的な規模以上(全延長が以下の延長未満の場合は全延長)であること。(200kW未満:100m、200kW以上1000kW未満:500m、1000kW以上3万kW未満:1500m)

※2 設備全体の更新が現実的に困難である場合は、必要な補修のみでも可。ただし、発電専用ダムによるダム式発電所については、ダムの撤去・更新を行うもの又は、改修工事を行うもので電気事業法に基づく工事計画の届出を要するものに限り対象とする。

※3 水圧鉄管の断面全周に渡り、延長の一部又は全部を取り替えるもの若しくは水圧鉄管の全延長に渡り、内部又は外部(埋設部除く)の塗装を行うもの。

【参考】
資源エネルギー庁 - 固定価格買取制度における既設の中小水力発電設備の更新に係る認定の考え方

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.