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FIT見直しの議論がスタート 国民負担を増やさずに再エネを拡大する方法を検討

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FIT見直しの議論がスタート 国民負担を増やさずに再エネを拡大する方法を検討

経済産業省は11日、第1回「再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会」を開催し、再生可能エネルギーをめぐる制度的な見直しについての議論に着手した。

この委員会では、再エネを持続可能な形で長期安定的なエネルギー源として導入拡大させるため、「2030年のエネルギーミックスで示された再エネの導入水準(22~24%)の実現」「国民負担の抑制」「電力システム改革の成果の活用」を観点に、固定価格買取制度(FIT)を含めた制度改革について検討する。また、これらの検討に当たっては、関連する規制・制度の改革、研究開発等も併せて検討を行う。

今後、第2回委員会で、現行制度の手続きの流れをテーマに、「認定制度」や事業開始後の管理、買取価格決定時期の課題および買取義務者等について検討する。第3回委員会では、買取価格決定方式やFITに関するコストの負担のあり方等、コスト効率的な再エネ導入について、第4回委員会では、系統制約の解消に向けた課題や研究開発・規制改革等について検討する。

第1回委員会では、資源エネルギー庁より、「再生可能エネルギーの導入促進に係る制度の現状と課題」についてまとめた資料が提示された。概要は以下のとおり。

背景

エネルギーミックスの実現

自給エネルギーの確保、低炭素社会の実現等の観点から、再エネの導入拡大は重要な課題。他方、欧米主要国に比べ、日本の発電電力量に占める再エネの割合は12.2%(水力を除くと3.2%)に留まる現状。2030年のエネルギーミックスで示された再エネの導入水準(22~24%)を達成するには、電源の特性や導入実態を踏まえ、国民負担を低減しつつ、更なる導入拡大をしていくための取組みが必要。

国民負担を踏まえた効率的な導入

エネルギーミックスの検討においては、電力コストを現状より引き下げた上で、再エネ拡大のために投ずる費用(買取費用)を3.7~4.0兆円と設定しているところ。FITの開始後、既に3年間で買取費用は約1.8兆円(賦課金は約1.3兆円)に達しており、再エネの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るために、コスト効率的な導入拡大が必要。

電力システム改革

安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大を目指して、電力システム改革が3段階に分けて実施される予定。

電力システム改革のスケジュールは、第1段階(2015年4月~)が広域的系統運用の拡大(電力広域的運営推進機関の設立)、第2段階(2016年4月~実施予定)は小売参入の全面自由化、第3段階(2020年4月~実施予定)は送配電部門の法的分離、小売料金規制の撤廃となっている。

一連の制度改革の成果を活かし、効率的な形での電力の取引・流通の実現を通じて、再エネの導入拡大に結びつけていくことが重要。

課題

現行制度の手続きの流れ

現行法では、経済産業大臣が「発電設備及び発電の方法に関する基準に適合」していることを認定し、電力会社に調達・接続義務をかける仕組み。早期に事業者の事業開始を促す仕組みとなってないことによる未稼働案件の積み上がりの課題や、事業開始後の管理が不十分といった課題が存在。また、太陽光について、未稼働案件の増大を受け、買取価格決定時期の変更を行った一方、リードタイムの長い電源については、年度毎の見直しでは事業の見通しが困難という指摘あり。

コスト効率的な再エネの導入

再エネの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るには、コスト効率的な導入拡大が必要。FITに要する費用としては、買取費用だけでなく、電力多消費産業への賦課金減免制度に係る費用や系統安定化費用が存在するが、これらの費用をどのように負担していくのが適切か検討が必要。

系統制約の解消に向けて

再エネの導入拡大による系統面での制約の解消については、国民負担にも留意しつつ、送電網の整備に関する更なる手続・負担ルールの明確化により推進することが重要。出力制御や広域融通のルール整備や研究開発による系統安定化への対応により、自然変動電源である太陽光や風力を既存の電力系統で最大限受け入れていくことが重要。

研究開発・規制改革

再エネが日本の長期安定的かつ自立的な電源となるためには、研究開発等を通じて、設備稼働率の上昇や高効率化を推進し、大幅なコスト低減を実現していくことが必要。地熱発電や風力発電のようなリードタイムが長い電源は、規制改革や地域住民の理解など、FIT以外での課題の克服が導入拡大の鍵。

参考資料について

第1回委員会では、参考資料として、これまでFITの見直し等について検討してきた、新エネルギー小委員会における議論を整理した資料/日本の温室効果ガス削減目標を「2030年に26%削減」すること等をまとめた「長期エネルギー需給見通し」に関する資料/FITの運営に関する総務省からの勧告に対する対応等をまとめた資料が提示された。

【参考】
経産省 - 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会(第1回)‐配布資料

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