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鹿島、洋上風力発電の基礎で新しい施工法を開発 着床式の風車向け

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鹿島、洋上風力発電の基礎で新しい施工法を開発 着床式の風車向け

鹿島は、洋上風力発電設備の新たな基礎の施工法として、海上作業構台「Kプラットフォーム コンボ」を用いた2形式の基礎施工法を開発したと発表した。

同社は8月に、洋上風力発電設備の海上作業構台「Kプラットフォーム コンボ」を開発したことを発表している。今回、着床式洋上風力発電設備で想定される、モノパイル、トリポッドの2つの基礎形式について、Kプラットフォーム コンボを用いた施工条件と施工手順、コスト、工期等を検証し、新たな洋上風力発電設備に用いる基礎の施工法として確立した。

日本の海底地盤は難しい

着床式洋上風力発電設備の基礎形式には、(1)モノパイル、(2)トリポッド(3本杭)、(3)ジャケット(4本杭)、(4)重力式、の大きく4つの種類がある。洋上風力発電の開発で先行する欧州においてはモノパイル形式が一般的だが、軟弱地盤や岩盤が混在する複雑な日本の海底地盤条件には必ずしも最適とは言えず、また風車の大型化に伴って杭径や杭長が巨大化し、施工機械の制約から日本では対応が困難になっていること等の課題があった。

鹿島は、先に港湾区域内向けの洋上風力発電設備の作業構台「Kプラットフォーム コンボ」と、これを利用した洋上風車組立工法も併せて開発している。

Kプラットフォーム コンボはクレーンを搭載した仮設の作業構台で、作業構台本体は、1~2基の風車の組立に必要な最小限のコンパクトな設備となっており、水上移動時にはフロータに作業構台を載せて別の船で曳航する。また本作業構台は着床式の風車建設を対象としており、モノパイルやジャケット、重力式など、様々な形式の着床式基礎に対応可能である。

今回この作業構台を用いた、日本の地盤条件に適合すると想定されるモノパイル形式、トリポッド形式の施工方法について、それぞれ検証を行った。

モノパイル、トリポッドの施工方法

モノパイル

モノパイル形式の基礎とは、1本の大口径杭を支持地盤に打ち込み、風車を支える形式の基礎である。砂、シルト、粘土層など、やや堅牢な地盤に適用が可能。モノパイル形式の基礎構造は比較的シンプルであるものの、直径が5m超、重量700トン以上というような、非常に大きな杭を正確に支持地盤に打設することが要求される。Kプラットフォーム コンボを用いた検証では、長さ60m程度の杭を構台に乗せて搬送し、構台に設置したクレーンにより吊り込むことで、杭を継ぐことなく打設できることがわかった。

Kプラットフォーム コンボによる洋上風力用トリポッド基礎並びに風力建設イメージ

Kプラットフォーム コンボによる洋上風力用トリポッド基礎並びに風力建設イメージ

モノパイル基礎施工機械の配置と大きさのイメージ

モノパイル基礎施工機械の配置と大きさのイメージ

トリポッド

トリポッド形式の完成イメージ

トリポッド形式の完成イメージ

トリポッド形式の基礎とは、3本の杭で支持力を分散し、風車を支える形式の基礎である。軟弱な地盤から硬質な地盤まで適用範囲が広いことが特徴で、3本の杭で風車を支えるため、モノパイル形式よりも杭を細く、短くすることができる。大口径の長尺杭を打設できないことも想定される複雑な日本の地盤においては、小径の杭を採用可能で、様々な補助工法が適用できるトリポッド形式は、モノパイル形式に比べて有利な基礎形式となる場合がある。Kプラットフォーム コンボを用いて、トリポッド形式の基礎に必要なパーツの運搬・設置から風車の組立まで一連の工程を検証し、コストや施工性の評価データを取得した。

Kプラットフォーム コンボによるトリポッド基礎施工イメージ

Kプラットフォーム コンボによるトリポッド基礎施工イメージ

鹿島の洋上風力発電開発におけるアドバンテージに

Kプラットフォーム コンボは、洋上風力発電設備の基礎の施工のみならず、風車組立にも適用できるため、洋上風力事業の建設段階から最終的な撤去作業まで、トータルでサポートすることができる。また、作業目的に応じたアタッチメントを搭載した複数のKプラットフォーム コンボを組み合わせることで、より効率的な施工も可能となる。

同社はKプラットフォーム コンボを用いた洋上風力発電設備の建設、メンテナンス、解体までを見据えた各種施工法の検討を進め、洋上風力発電設備のライフサイクルをトータルで支援する技術を整備、確立していく方針だ。

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