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2015年夏、ピーク電力の6%を太陽光発電が供給 九州も原発ナシで乗り切る

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電力各社の発表によると、2015年夏の電力需給実績は、電力需要のピーク時において、電力の安定供給に最低限必要とされる予備率3%以上を上回る8%以上を確保し、電力需給がひっ迫する日はなかったことがわかった。また沖縄電力を除く電力9社の合計で、ピーク時に供給した電力のうち、太陽光発電が6.4%を占めた。

経済産業省は9日、電力需給検証小委員会(第12回)を開催し、今夏の電力需給の実績と、今冬の電力需給の見通しについての検証を開始した。この委員会で、電力各社の2015年度夏季の電力需給実績と、2015年度冬季の電力需給見通しをまとめた資料が提示された。

今冬の電力需給については、厳寒となるリスクや直近の経済成長の伸び、企業や家庭における節電の定着などを織り込んだ上で、いずれの電力管内でも予備率3%以上を確保できる見通し。

20日に開催する第13回委員会で、報告書をとりまとめ、それを踏まえて、政府が「2015年度冬季需給対策」を決定する。

2015年度夏季の電力需給実績について

今夏の電力需給は、いずれの電力管内でも予備率3%以上を確保できる見通しとなったことから、政府の節電対策では、沖縄電力を除く全国で、「数値目標を伴わない」節電協力を要請した。

今夏のピーク時の需給状況をみると、供給力については見通しを下回った電力会社もあったが、全電力会社において、最大需要については見通しを上回ることはなく、予備率8%以上を確保した。

需要面では、各電力管内において、需給検証小委員会で事前に想定した定着節電以上の需要減となった。

今夏における太陽光の供給力の主な増加要因として、1.設備導入量の増加、2.出力比率の増加をあげる。設備導入量については、9社計で見通しより38.6万kW減ととなった。出力比率は、日射量に恵まれて増加したことにより、ピーク時供給力は見通しより583.4万kW増となった。関西電力および四国電力については、最大需要発生時間が夕方となったこと等により、供給実績が想定を下回った。

供給面の検証(太陽光) 供給面の検証(太陽光)
経産省 2015年度夏季需給検証について(PDF 7ページ目)

風力発電については、設備容量はほぼ想定どおり。ピーク時供給力は、風況に恵まれたことにより、想定を上回った。

供給面の検証(太風力) 供給面の検証(風力)
経産省 2015年度夏季需給検証について(PDF 8ページ目)

また、需要面での大口の顧客が夏季のピーク時間帯以外に需要をシフトする「計画調整契約」については、北海道、東京、中国、四国電力については、最大需要発生日の契約が想定よりも少なかったことにより減少。東北、関西電力についても、離脱による契約廃止、生産増や自家発廃止などにより調整が困難となったことから、加入口数および契約量が減少。さらに九州電力については、需要家の設備更新等により節電が進んだことに伴う調整幅の減少等により減少した。中部電力管内については、2015年度夏季は計画調整契約が想定より増加したことにより、ピークシフトしたことで、猛暑時間帯の需要が抑えられた可能性があるとしている。

需要面の検証(計画調整契約について) 需要面の検証(計画調整契約について)
経産省 2015年度夏季需給検証について(PDF 14ページ目)

太陽光発電の供給がない「点灯ピーク」に厳しい需給状況に

九州電力は、夏の電力需給について、原子力の再稼働がなく、他電力会社からの応援融通を含む供給力対策を実施した上で、何とか予備率3%を確保するという、厳しい需給状況となると予想していた。

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九州電力の時間最大電力発生日の需給状況

しかし、電力需給実績では、今夏(7月~8月)において、電力の使用率が92%を超過し「やや厳しい需給状況」となった日はなかった。顧客の節電への取り組み、新電力への顧客のの離脱の増加に加え、最高気温も低かったことなどから、期間を通して需要は見通しに比べ低く推移した。供給面では、ピーク需要時(16~17時)は太陽光発電が一定程度見込めたことや、高需要期において、発電所のトラブル停止もなかったことなどから、安定供給を確保した。

一方、最大需要が発生する16~17時には太陽光の供給力が一定程度期待でき、使用率は88%と「安定した需給状況」であったが、太陽光の供給力が期待できなくなる点灯ピーク時(19~20時)には需要の減少量よりも太陽光供給力の減少量の方が大きいため、使用率96%となり、「厳しい需給状況」となった。

今夏の点灯ピーク(19~20時)において、使用率が95%を超過し「厳しい需給状況」となったのは2日。92%を超過し「やや厳しい需給状況」となったのは5日であった。なお、九州電力は、8月11日に川内原発1号機を再稼働し、他電力会社からの融通を見込まずとも予備率6.7%を確保できる見通しを発表。さらに、本日10月15日には川内原発2号機を再稼働した。

【参考】
経済産業省 - 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力需給検証小委員会(第12回)

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