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「木質バイオマスからの安定的な水素ガス製造、難しい」 新出光が事業撤退

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「木質バイオマスからの安定的な水素ガス製造、難しい」 新出光が事業撤退

九州を中心に石油販売事業を手掛ける新出光(福岡県福岡市)は15日、子会社のイデックスエコエナジー(福岡県大牟田市)を通じて2011年より取り組んできた、木質バイオマスをガス化して水素を製造・販売する事業から撤退すると発表した。

この事業は、木質バイオマスをガス化して水素を製造する世界初の商用プラント事業として注目された。水素製造プラント技術が先進的と認められ農林水産省の助成金の交付も受けている。

しかし初期の目標通りに安定的で高純度の水素ガスを製造するには至らず、経営資源の配分など全体最適の観点から、イデックスグループの中長期的な成長への貢献は困難であると判断し、事業の撤退を決断した。

この事業では、2011年10月にイデックスエコエナジーが、ジャパンブルーエナジー(旧日本計画機構)の保有する「バイオマスからの水素製造技術(ブルータワー技術)」を使った水素製造プラント(通称:福岡ブルータワー)を福岡県大牟田市の大牟田エコタウン内に建設。間伐材等の木質チップをガス化して高純度の水素ガスを製造、それを新出光が工業用水素等の用途で販売することを目指し、試運転を続けてきた。

新出光は、事業化に至らなかった原因として、同プラントの「技術的問題」をあげる。特許保有企業より説明を受けていた、福岡ブルータワー最大の特徴である「ガス化過程におけるヒートキャリア(熱媒体アルミナボール)によるタール除去」が実現しなかった。

しかし、新出光はいかなる理由であろうとも、事業化を決定した責任は同社にあり、本件の経緯について十分に社内で検証し、今後も社会に微力ながら貢献していくとしている。

今後、イデックスエコエナジーは法的整理を行う予定。製造プラント施設は9月末に閉鎖。今後、関係機関と協議・調整のうえ解体を検討中である。

イデックスエコエナジーはバイオマス水素の製造・販売を目的に2009年11月に設立。資本金は5,000万円(新出光100%出資子会社)。売上高0円(2015年3月期)。従業員数2名(2015年9月末時点)。

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