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東工大、太陽光発電量を予測する最新技術を発表 電力系統の安定化に寄与

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2015年12月8日、東京工業大学は、太陽光発電量の信頼度付区間予測という最新の予測手法を活用した電力系統需給制御の基礎技術を開発したと発表した。

国内では、今年3月までに既に20ギガワットの太陽光発電設備が導入されているが、太陽光発電は天候の変化などによって発電量が大きく変動する。そのため、電力系統の需給バランスを維持するには、太陽光発電量を予測し火力発電などの調整用電源や蓄電池を用いて調整する必要があるが、しばしば大きな予測誤差が生じる。こうした予測誤差により電力系統全体の需給バランスが崩れた場合、停電などのトラブルや、電力の安定供給が懸念される。

一定時間ごとに「信頼度」付きで予測

今回開発された技術は、太陽光発電を大量導入する際に、最新の予測技術である信頼度付区間予測を用いて、電力系統全体の需給をバランスよく維持できる基礎制御技術だ。

信頼度付区間予測とは、日射量などの気象観測データにより信頼度付区間として太陽光発電量を予測する最新の手法だ。下図に示される帯状区間は、どの程度の確率で予測量の時系列軌道が区間内を通過するかに基づいて色分けされている。日射量が安定して多い晴天日は、形状が釣鐘形で区間幅が小さくなるのに対して、日射量が雲の影響で不安定に変動する曇天日は、形状がいびつで区間幅も大きくなる。

太陽光発電量の信頼度付区間予測

太陽光発電量の信頼度付区間予測

今回の具体的な研究成果は、下記の3点。

  1. 太陽光発電量の信頼度付区間予測に基づく電力系統運用計画問題の定式化
  2. 最適運用計画の理論的な変動解析に基づく数値解法の開発
  3. 実データを用いた数値シミュレーションによる最適運用計画の考察

同研究グループは、ピーク電力の30%程度の太陽光発電の導入を想定し、この技術を開発した。太陽光発電量の予測値を区間値として捉えることで、調整用電源と蓄電池の事前準備量を把握することが可能になった。また、今後は火力発電機の起動停止コストや過剰な太陽光発電量の抑制などを含めた、より複雑な状況下での電力系統への適用を検討し、太陽光発電が大量に導入される将来に向け、より精度の高い電力系統需給制御技術の開発を行って行く予定だ。

同研究成果は、英国時間の2015年12月7日に国際自動制御学会連合誌「AUTOMATICA」のオンライン速報版で公開され、近日中に正式に掲載される。論文タイトルは「Interval quadratic programming for day−ahead dispatch of uncertain predicted demand」(不確かな需要予測による前日電力配分計画のための区間2次計画法に関する研究)doi:10.1016/j.automatica.2015.11.002。研究期間は、今年4月から2020年3月まで。

なお、同研究は、JST戦略的創造研究推進事業において、東京海洋大学、オルレアン大学、東京理科大学、エネルギー総合工学研究所、産業技術総合研究所らと共同で実施された。

【参考】
JST - 太陽光発電の電力需給バランスを維持する技術を開発

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