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政府、小規模な太陽光発電への安全規制を強化する方針 台風などの事故受け

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政府、小規模な太陽光発電への安全規制を強化する方針 台風などの事故受け

経済産業省は11日に開催した電力安全小委員会(第11回)で、太陽光発電設備の安全確保のための取組みの強化に向けた、電気保安規制見直しの方向性(案)を示した。

昨今の自然災害に伴い、太陽光発電設備において、パネル飛散・架台倒壊・設備水没など、一般の人々や生活の安全に影響を与える重大事故が発生しており、特に、電気事業法のおける保安規制で、事故報告対象外となっている小規模設備での損壊事故が顕在化している。

電力安全小委員会では、小規模設備を中心に、技術基準に適合しない(強度が不十分な)設備が設置され、重大事故に至っている可能性が指摘された。そこで太陽光発電設備の安全かつ持続的な活用に向け、エンフォースメント(法の執行)強化を検討する必要があるとしている。

同委員会は検討の方向性(案)として以下5点をあげる。

  1. 技術基準の再検証、標準仕様の提示、簡易な安全対策の検討
  2. 使用前段階での事前確認の強化
  3. 事故報告の強化
  4. FITと連携した設置・運転状況の把握、不適合事案への対処
  5. 適切な保守管理を行っている事業者に対するインセンティブ

今後の検討の進め方として、FIT(固定価格買取制度)認定事業者に対する実態調査(新エネ課と連携)および台風15号被害のフォローアップ調査を実施。これを踏まえ、来年1月より「新エネルギー発電設備事故対応・構造強度WG」にて規制見直しを検討するとともに、並行的に支持物強度や感電防止策に係る技術的検討・実証を実施する。

その他、経済産業省が、太陽光発電設備の安全確保のための取組み強化に向けて、示した資料の概要は以下のとおり。

自然災害時に小規模設備での損壊事故が顕在化

太陽光発電設備に係る近年の事故などの状況をみると、感電死傷事故や500kW以上の設備破損など、事業用の太陽光発電設備による重大事故の報告は、それほど多くない。他方、昨今の自然災害時、太陽光発電設備に関連した重大事故が発生していることや、小規模設備での損壊事故が顕在化していることは前述のとおり。

例えば、九州では台風15号によるパネル飛散に伴い、近隣家屋等を損壊する事案が複数件起こり、鬼怒川決壊時には、水没した太陽光パネルによる感電の危険性が想定されたことから、業界団体および経済産業省が注意を呼びかけた。

台風15号の被害状況調査(九州産業保安監督部調査結果の報告)

資料では、九州産業保安監督部が台風15号の被害状況について調査した結果も提示された。同部では、管内のすべての太陽光発電設備(50kW以上のもの、計3,162件)の設置者もしくは電気主任技術者に対し、被害状況のアンケート調査を実施した。3,009件より回答(回答率約95%)があり、138件(約4%)で何らかの被害が発生していることがわかった。被害が発生した138件の内訳をみると、事故報告対象では1件、事故報告対象外では137件となっている。

このうち、発電設備そのものに被害があった78件に関し、その施工状況や技術基準適合状況について現在追加調査中である。

具体的な事例では、パネルが構外へ飛散し、民家8件・車両ののべ12カ所が損傷した事故や、基礎が抜けたことによりモジュール・架台が倒壊し構内に飛散した事故などがあげられている。

固定価格買取制度(FIT)における太陽光発電設備の導入実績と電気事業法における保安規制

FITにおいて、認定を受けた50kW未満(一般用電気工作物)の太陽光発電設備は、163万件(うち10kW未満は約85万件)、このうち97万件(うち10kW未満は約71万件)がすでに稼働を開始している。これらの小規模設備については、電気事業法における「保安規程」、「電気主任技術者選任」、「工事計画届出」、「事故報告」の対象外となっている。

【参考】
経済産業省 - 産業構造審議会 保安分科会 電力安全小委員会(第11回)

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