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「自家消費」特化型の太陽光発電システム 売電時のロス無くFITより早く投資回収

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「自家消費」特化型の太陽光発電システム 売電時のロス無くFITより早く投資回収

慧通信技術工業(兵庫県神戸市)は、太陽光発電システムと蓄電システムを組み合わせた「産業用オフグリッドシステム」を開発し、1月17日より販売を開始した。

同社の「産業用オフグリッドシステム」は、完全自家消費型の太陽光発電システム。発電した電気をそのまま自社で活用する事で、電力基本料金や、CO2排出量を削減でき、災害時や緊急時にも一定の電力を供給できる。

自家消費することで売電時のロスがない!

このシステムには、同社が開発した蓄電システム「独立電源パーソナルエナジー®」を組み込んでおり、太陽光発電や風力発電などの外部電源のみで、電力会社に頼ることなく電力を供給できる。

もちろん、全量を電力会社に売電する固定価格買取制度(FIT)を利用する目的で導入することも可能だ。固定価格買取制度を利用した場合と、産業競争力強化法「生産性向上設備投資促進税制」による特別償却を利用した場合の、費用や電気料削減額、回収年数などの試算は下表の通り(システム設置容量40kWの場合)。

固定価格買取制度(FIT)で売電 自家消費した場合(※即時償却)
システム単価:約25万円/kW システム単価:約45万円/kW
年間発電量:平均約40,000kWh 年間発電量:平均約72,000kWh
設置費用:約1,000万円 設置費用:約1,806万円
年間売電収入:約108万円 年間電気料金削減額:約206万円
投資回収年数:約9.25年 投資回収年数:約8.75年
図中の設備費が生産性向上設備投資促進税制で即時償却できる

図中の設備費が生産性向上設備投資促進税制で即時償却できる

上記項目のうち、FITを利用した場合と、自家消費した場合にパネル出力あたりの発電量(kWh)に差があるのは、電力を系統へ売電する際、インバーターなどを経由する際のロスによるもの。同社の調査によると、現在の固定価格買取制度で使用できる多くのパワコンでは、まだ電気的な損失や稼働時間による損失(抑制や無効電力)などが多く、実際のパネル出力のうち30%以上が損なわれている。同社システムでは、太陽光発電システムの電力を直流給電することにより、自家消費する場合はこのロスを低減する。

同社は自社開発のスマートメーターを使用し、2006年から全国1500箇所以上で再エネ電力の実測データを収集している。たとえば、40kWの太陽光発電システムにおいて、年間日照時間が1998時間(例:神戸市)である場合、同社のシステムを使用した場合の発電量は、理論上1998時間×40kWP=79,530kWhになる。しかし、同社が実証し得たデータによると、JET認証取得の他のパワコンを使用し固定価格買取制度で売電した場合、実際に売電できる電力量は平均約40,000kWhにしかならなかった。

なお、同社はこれらの技術資料やシステム価格については、システム設計に必要な資料を提供できるユーザーにのみ公開している。

また、同システムは新エネルギー導入促進協議会(NEPC)が実施する「独立型再生可能エネルギー発電システム等対策費補助金」の対象にもなる。この補助金では、10kW以上の自家消費型太陽光発電システム等を導入する民間事業者等に対し、経費の1/3が助成される(平成26年度補正予算の公募は昨年11月で終了している)。同社では2016年度の環境省事業「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業」の対象設備にもなるよう、調整する予定だ。なお、「生産性向上設備投資促進税制」やこの補助金を利用した場合、固定価格買取制度による売電はできない。

導入効果例

導入効果例

改正省エネ法でも有利

さらに、改正省エネ法の施行により、2015年度報告分(2014年度実績分)から、従来の昼間と夜間に加えて、「電気需要平準化時間帯」(夏期・冬期7ヶ月間の8時から22時)における買電量の報告が必要になる。

また、原単位として、従来の「エネルギー消費原単位」に加え、新たに「電気需要平準化評価原単位」の記載が求められる。電気需要平準化評価原単位は、電気需要平準化時間帯における買電量を削減した場合に、高く評価される仕組みになっている。

経済産業省は、太陽光発電による電気の自家消費分は、電力会社から供給される化石燃料由来の電気の使用の低減になるため、間接的にではあるが、省エネ法上も評価されると説明する。このため、自家消費型太陽光発電システムは、今後、改正省エネ法における「電気需要平準化評価原単位」の低減に大きく寄与することが期待できる。

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