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2016年度の太陽光発電FIT価格、20年目以降の売電収益は算定に含めない方針

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経済産業省は4日、固定価格買取制度(FIT)に基づく2016年度の買取価格等について検討するため、調達価格等算定委員会(第21回)を開催した。

今回の会合では、前回委員会から指摘があった事項を踏まえ、経済産業省が論点を整理した資料を提示した。

10kW以上の事業用太陽光発電では、買取価格を算定するベースとなる「システム費用」「接続費」「20年目以降の売電収益」が論点となった。システム費用については、これまで、コストが安い最新期の1,000kW以上のシステム費用の中央値を採用し、翌年度の買取価格を検討してきたが、より効率的なシステム費用を採用する方法を検討する。今回は接続費は据え置き、売電収益は現行どおり20年間のみを算定する案が示された。

風力発電については、国際的にみて買取価格が高いことから、新規の大規模案件の進捗等も踏まえつつ、どのように価格水準の設定を行っていくべきかが論点となった。

今回、経済産業省が示した資料の概要は以下のとおり。

10kW以上の太陽光発電

太陽光のシステム費用水準の想定値設定

これまで調達価格等算定委員会では、太陽光発電のシステム費用の想定値について、効率的に事業を実施した案件の水準を採用するため、最新期の1,000kW以上のシステム費用の中央値を採用し、翌年度の買取価格を決定している。一方、10kW以上全体と1,000kW以上との価格差が縮小している。

コスト削減の促進と、持続的な導入量の確保を両立する観点から、「供給が効率的に実施される場合」のシステム費用の想定値として、どの程度の水準に設定するのが適当かが論点となっている。

接続費について

委員より、10kW以上の太陽光発電の接続費について、収集された実績データが想定値より低い点に留意すべきとの指摘があった。

今年度の接続費は、1,000kW以上の設備の平均値は0.55万円/kW、中央値で0.28万円/kWと、昨年度と同様に想定値(1.35万円/kW)を下回っている。しかし、(1)今後の接続費の上昇が見込まれること、(2)接続費の一部として包含する出力制御対応機器について、昨年度の想定値(0.3~0.4万円/kW)を修正した値を設定するのに必要なデータが収集されていないことから、今年度も想定値を据え置く案を示した。

20年目以降の売電収益の扱いについて

10kW以上の太陽光発電の法定耐用年数は17年だが、太陽光パネルの実態上の寿命が20年以上はあることから、買取期間は20年として設定されている。

他方、適切な運転維持管理等を実施すれば、継続的な発電が可能であることから、買取期間20年の終了後の売電収益も見込むことも考えられる。しかし「民法上の土地の賃借権が20年までとなっている」「パネル出力のメーカー保証期間は20年が多い」等から、全ての発電事業者が20年間以上発電できることが保証できない以上、その後の売電便益を見込むことは、太陽光発電の導入に不利となるとも考えられる。制度の安定性が求められる点も踏まえ、買取価格の算定に当たっては、現行どおり20年間での売電収益のみを見込むこととする案が示された。

なお、10kW未満の太陽光発電については、パネルは20年間使用可能であるものの、住宅の譲渡の可能性もあり、早期の回収を求められることや従前の余剰電力買取制度との連続性も考慮すべきことから、買取期間は10年間として設定されている。

風力発電

風力発電(20kW)の設備利用率について

委員会から風力の買取価格が国際的に見て高いが、設備利用率の実績データを示して欲しいという要望があった。

太陽光発電と同様に、風力発電(20kW以上)についても、費用負担調整機関に蓄積された買い取った電力量を、個々の認定を受けた出力で除した値の平均をとって確認したところ、想定値(20%)に対し、20kW以上全体での平均設備利用率は18.5%となった。

他方、設置年の浅い案件の方が、効率的で設備利用率が高くなっており、現在環境アセスメント中で今後設置される新規の大規模案件については、想定値よりも高い設備利用率となることも予想される。

再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会の報告書案においては、風力発電は欧州の2倍の買取価格水準であり、中長期的な買取価格の引き下げスケジュールを決定すべきと指摘されているところである。新規の大規模案件の進捗等も踏まえつつ、どのように価格水準の設定を行っていくべきかが課題となる。

バイオマス

委員から「『木質バイオマス(未利用材、建設資材廃棄物を除く)または農産物の収穫に伴って生じるバイオマス』(24円)の対象範囲及び燃料費の内訳を提示して欲しい)」との要望があった。

PKS(パーム椰子殻)とPKS以外の農作物由来のバイオマスが木質バイオマス(未利用材・建設資材廃棄物を除く)とともに、24円の買取価格が適用されている。

制度開始以降得られたコストデータによると、木質バイオマス(未利用材・建設資材廃棄物を除く)または農産物の収穫に伴って生じるバイオマスの燃料費は7,328円/トン(36件)であった。重量単位、熱量単位での燃料費も示された。

【参考】
経済産業省 - 調達価格等算定委員会(第21回)

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