> > 福島県の大規模風力発電所に環境大臣意見 被災地と累積的環境影響へ配慮を

福島県の大規模風力発電所に環境大臣意見 被災地と累積的環境影響へ配慮を

記事を保存

環境省は31日、福島県で計画されている二つの大規模な風力発電事業、「(仮称)福島沿岸部風力発電構想」(最大出力52万5,000kW)と「(仮称)福島阿武隈風力発電構想」(最大出力70万kW)に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見を提出した。

これらの事業は、福島県の南相馬市・双葉郡広野町・双葉郡楢葉町などにおいて、県が参画するコンソーシアムが大規模な風力発電事業を実施するもの。また両事業は、未来の新エネルギー社会実現に向けたモデルを福島で創出することを目指した「福島新エネ社会構想」に関連する事業であり、震災からの復興支援や地元振興への貢献が期待されている。

一方、事業の実施想定区域は避難指示区域を含んでいることから、生活環境などへの影響が原因となって復興が妨げられることがないよう、国による中間貯蔵施設の整備や廃棄物処理の事業の実施にも留意しつつ、事業計画の具体化にあたり慎重な検討が必要である。

環境大臣意見では、これらを踏まえ、下記の事項などを求めている。

  • 復興や今後の地域利用の方向性等を踏まえた事業の内容および放射性物質に汚染されたおそれのある廃棄物等の処理等について、関係機関等と十分に協議及び調整するとともに、住民の関与の機会を確保すること
  • 福島県が、今後、事業者の指導等を通じて本事業に適切に関与すること
  • 今後、複数の事業に分割されることおよび複数の事業による累積的な環境影響が懸念されることから、累積的な環境について適切に予測および評価を行い、風力発電設備等の配置等を検討すること

事業計画の具体化における留意事項では、重大な環境影響が避けられない区域を除外することし、環境影響を回避または十分に低減できない場合は、風力発電設備等の配置等の再検討、事業実施区域の見直しおよび基数の削減を含む事業計画の柔軟な見直しを行うこととしている。

「(仮称)福島沿岸部風力発電構想」概要

「(仮称)福島沿岸部風力発電構想」は、福島県および東京ガスによって構成された福島県沿岸部風力発電環境アセスメントコンソーシアムが、下記の風力発電事業を実施するもの。

名称

(仮称)福島沿岸部風力発電構想

事業者

福島県沿岸部風力発電環境アセスメントコンソーシアム

計画位置

福島県南相馬市、双葉郡広野町、双葉郡楢葉町、双葉郡富岡町、双葉郡大熊町、双葉郡双葉町及び双葉郡浪江町(事業実施想定区域面積:約13,500ha)

出力

最大525,000kW(最大3,500kW発電設備を150基設置)

「(仮称)福島阿武隈風力発電構想」概要

「(仮称)福島阿武隈風力発電構想」は、福島県、ジャパンウィンドエンジニアリング、ユーラスエナジーホールディングスおよびエコ・パワーによって構成された福島県阿武隈風力発電環境アセスメントコンソーシアムが、下記の風力発電事業を実施するもの。

名称

(仮称)福島阿武隈風力発電構想

事業者

福島県阿武隈風力発電環境アセスメントコンソーシアム

計画位置

福島県いわき市、田村市、南相馬市、双葉郡広野町、双葉郡楢葉町、双葉郡富岡町、双葉郡川内村、双葉郡大熊町、双葉郡双葉町、双葉郡浪江町及び双葉郡葛尾村(事業実施想定区域面積:約55,000ha)

出力

最大700,000kW(最大3,500kW発電設備を200基設置)

環境影響評価のステップ

環境影響評価法および電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置または変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して意見を言うことができるとされている。

今後、経済産業大臣から事業者である両コンソーシアムに対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を決定し、事業段階の環境影響評価(環境影響評価方法書、準備書、評価書)を行うこととなる。

※計画段階環境配慮書:配置・構造又は位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書。

【参考】
環境省 - 環境省、(仮称)福島沿岸部風力発電構想に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)
環境省、(仮称)福島阿武隈風力発電構想に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.