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既存オフィスビル、執務を続けながらZEB化改修 竹中工務店が自社ビルで実現

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既存オフィスビル、執務を続けながらZEB化改修 竹中工務店が自社ビルで実現

竹中工務店は、一般的なオフィスビルにおいて、執務を続けながら、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング(ZEB)化を目指した改修を実施したプロジェクトの概要を発表した。

今回の改修は、住宅などより床面積当たりの消費電力が大きいとされる実用オフィスにおいて、実験的なZEBから「本当に使える」ZEBをめざすもの。同社は、今後多くの建物を省エネ化するのに必要な方策や効果を検証する先端的なモデルプロジェクトと位置付けている。

改修をおこなったのは、同社東関東支店(千葉県千葉市)として使用している、2003年竣工のオフィスビル。地上2階、RC、S造で、敷地面積は1,432平米、延床面積は1,318平米。改修工事の期間は2015年10月~2016年3月。

省エネを実現しながら、快適な執務空間をつくる

省エネを実現しながら、快適な執務空間をつくる

後述する4つのコンセプトを掲げ、新しいワークスタイルの提案や、各種省エネ技術の導入によりZEB化を図るとともに、災害時に備えたBCP(事業継続計画)の向上や、自然の風や光を利用したパッシブデザインの採用による快適性の向上など、さらなる付加価値を追求している。

今後は建物の運用を通じて、年間のエネルギー収支の検証と省エネならびに快適なオフィス環境を両立した「ウェルネスオフィス」の実現に向けた検証を行っていく。

本プロジェクトに導入した開発技術の効果検証や運用で得られた知見をもとに、ZEB化に限らず広義のZEB化(Nearly ZEB/ZEB Ready)を推進する顧客のニーズに的確に応える提案を行っていく考えだ。

※ZEB(Net Zero Energy Building)…ZEBとは、年間の一時エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物のこと。経済産業省資源エネルギー庁は、省エネ基準よりも50%以上の省エネをZEB基準(ZEB Ready)として設定。50%以上省エネ(ZEB Ready)を満たした上で、太陽光発電等によりエネルギーを創ることで、正味でゼロ・エネルギーを目指すこととしている。年間の一時エネルギー消費量が正味で75%以上省エネを達成したものを「Nearly ZEB」、正味で100%以上省エネを達成したものを「ZEB」と定義している。

ZEB化を成立させる技術

ZEB化を成立させる技術

ZEB化改修の4つのコンセプト

(1)快適性の考え方を変える

温度、湿度を一定に保つことだけが快適の条件ではなくなってきている。そよ風を感じる、光が変化するなど、多様な環境の変化が人の快適性の幅を広げ、同時に熱負荷の大幅な削減につながる。

(2)スーパー省エネビルを作る

超高性能断熱、ダブルスキン、ブラインド自動制御、自然通風の自動制御、調光LED、デシカント空調、地中熱利用、放射空調、太陽光発電などの数々の先端技術を導入した上でこれらを統合制御し、プラスエネルギービルを実現する。

(3)スマートな働き方を考える

ワークごとに最適な執務環境を整えることで生産性を向上させつつ、シェアリングによって共用空間やファイリング空間を生み出し、事務機器や端末の共有化を図る。今まで点け放しにしていたコンピュータ、空調、照明を見直し、必要な場所で、必要な時に、必要な分だけ使うメリハリのあるワークスタイルに転換することにより、結果的にエネルギー消費量を削減する。

(4)災害にも強くなる

(1)(2)(3)を行うことで、少ないエネルギーで建物を稼働できるようになり、災害時にライフラインが喪失しても、太陽光発電、蓄電池の活用によりオフィスとしての機能を長く維持できる。

取組みの背景

2015年12月COP21の採択で、日本は「2030年度までに温室効果ガスを2013年度比26%減らす」ことが国際公約となった。日本では、オフィスビルなどを中心とする業務その他部門のエネルギー消費が高止まりする傾向にあることから、同部門の削減目標は40%と省エネ化推進の中でも大きな役割を担っている。

このため、エネルギー消費の少ない新築オフィスの普及はもちろん、オフィスビルの約98%を占めるといわれる既存建物をどう省エネ化していくかが喫緊の課題となっている。また、2016年4月より、「省エネ性能表示制度」がスタートするなど、建物の資産価値の格付けに省エネや環境性能が重視されている。

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